この記事では、「お宮参り」【おみやまいり】と「お礼参り」【おれいまいり】の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「お宮参り」とは?
子供が無事生まれたことを産土神【うぶすながみ】様に報告するのを「お宮参り」と言います。
この神様は土地の守り神であり、子供が病気や事故に遭わず、成長するためにお祈りする儀式になります。
お産した後、母子が元気で健康に生きられるよう産土詣【うぶすなもうで】に挨拶します。
この風習は室町時代から行われており、男の子の場合は生まれた日から31日目か32日目に「お宮参り」します。
女の子の場合は生まれた日から数えて生後32日目か33日目にお参りするのが決まりです。
お参り当日は「二礼二拍手一礼」し、境内で撮影したり、食事会する人もいます。
「お礼参り」とは?
神社仏閣に行って願い事したとき、願掛けしたことが成就したときお礼に行くことを「お礼参り」と言います。
願いごとは受験に受かるように、親の病気が治りますように、恋人ができるようになど幅広い願い事が可能であり、自分にとってとくに叶えたいと思う願い事を伝えます。
いいことばかりが叶ったときに「お礼参り」するのではなく、自分にとって不利益なことした相手に対して悪いことが起きるように願掛けする報復を目的としたお参りもあります。
「お宮参り」と「お礼参り」の違い
「お宮参り」と「お礼参り」の違いを、分かりやすく解説します。
初穂料を神社に納めるのが「お宮参り」であり、平均相場は5,000円から10,000円になりますが、場合によっては金額に決まりがあります。
お金を包む「のし袋」は何度あっても幸せという意味がある蝶結びとなる縁結びの水引きが付いていて、紅白であるものを用意します。
一方の「お礼参り」は自分がとくに叶えたいと思う願いごとを願掛けして、叶ったときにお礼します。
「お宮参り」の例文
・『お宮参りでは穢れがある母親が子供を抱っこするのではなく、夫の母親が抱くのが一般的』
・『紐銭は赤ちゃんへのお小遣いで返す必要はないのがお宮参りの常識である』
母親は穢れがあるため「お宮参り」では、子供を抱くのは主に父方の祖母が担います。
紐銭は初めて赤ん坊に与えるおひねりなので、お返しはいらないとされていますが、あまりにも高額なおひねりには商品でのお返しを選ぶといいでしょう。
「お礼参り」の例文
・『自分を刑務所に送るよう密告した者に仕返しするお礼参りが由来になっている』
・『神仏にお願いしたとき成就したときに始まったお礼参りから世話になった人を訪ねるという意味になった』
元々の「お礼参り」にはやくざが自分を刑務所に送るために不利な証言した者に対して刑期が終えた後に乱暴したり、おどすことを「御礼参」にする意味がありました。
反対に、お世話になった人へ感謝の意味を込めて「お礼参り」することもあります。
まとめ
どちらも神社仏閣に行くという行動は同じですが、子供が誕生したことを地元の産土神へ報告するのが「お宮参り」であり、「お礼参り」は叶えたいと思う願い事を願掛けしたり、自分を陥れた者へ報復するために願い事するという意味があると覚えておくといいでしょう。