この記事では、「奮発」と「発奮」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている熟語の線引きを、しっかり付けていきましょう。
「奮発」とは?
奮発(ふんぱつ)とは、リッチに過ごすこと。
いつもより良いものを買って、贅沢な時間をたのしむ様子をあらわしています。
同時に「気合を入れる」という意味もあります。
いずれにせよ、アクティブに動く行動が「奮発」です。
「奮発」という熟語を分解してみると「奮」と「発」に分けられます。
「奮」には「元気を出す」という訳があります。
そして「発」とは「盛んにする」という意味があります。
つまりルンルンするような、羽振りのいい状態が「奮発」です。
自分にご褒美を与えるために高級な腕時計を買うこと、部下に気前よくごはんをおごってあげるシーンなどで「奮発する」は使われます。
とても上機嫌で、にこやかな言葉です。
「発奮」とは?
発奮(はっぷん)とは、やる気を出すこと。
何かにチャレンジする際に、気力を奮い立たせる様子をあらわしています。
意欲がグングンみなぎって、やる気スイッチをオンにした状態が「発奮」です。
「発奮」という熟語には「発」と「奮」がはいっています。
「発」には「上に向かって伸びる」という訳があります。
そして「奮」には「勇気を出して、踏ん張る」というニュアンスがあります。
大空に向かって白鳥がつばさを広げるように、モチベーションが高まっていく様子が「発奮」です。
何かに挑戦するときの、理想的なメンタル状態です。
「奮発」と「発奮」の違い
いずれも「奮」がはいっています。
「奮発」と「発奮」の違いを、分かりやすく解説します。
・リッチな買い物には「奮発」
「奮発」と「発奮」には「気持ちを奮い立たせる」という共通した意味があります。
けれども用いられるシーンが少しずつ異なっています。
「奮発」は「親せきが遊びに来たので、奮発して寿司をとった」や「恋人の誕生日だったので、奮発してネックレスを買った」と使います。
ふだんより贅沢な買い物をすること、いつもは食べない高級グルメを楽しむのが「奮発」です。
一方で「発奮」には「やる気になる」という訳で使われます。
そのため「先生の言葉に発奮し、テスト勉強をがんばった」や「産まれた我が子の存在が、発奮材料になっている」と使います。
いい影響を受けて、前向きに気持ちが切り替わることが「発奮」です。
思いきって高級なものを買うのが「奮発」、意欲が湧いてくるのが「発奮」です。
まとめ
「奮発」と「発奮」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「心が奮い立つ」という共通した訳があります。
「奮発」はリッチな買い物をする、金に糸目をつけないという意味です。
そして「発奮」は気持ちのスイッチが入って、やる気になる状態をあらわします。
どちらもアグレッシブに、自分から行動を起こしていく表現です。
使い分けを知って、日常生活に役立てていきましょう。