流通用語で「顧客」を意味する言葉として「コンシューマー」と「エンドユーザー」がありますが、このふたつはどう違うのでしょうか。
今回は、「コンシューマー」と「エンドユーザー」の違いについて解説します。
「コンシューマー」とは?
「コンシューマー」とは、「企業が販売した商品やサービスを最終的に消費する顧客」を意味する言葉です。
「コンシューマー」が意味するのは「流通の末端で自家用に商品やサービスを消費する顧客」です。
企業が販売したものは様々な用途に使われますが買った食品を自分で食べたり映画を自分で見て楽しんだりといった「自分のために使う消費者」が「コンシューマー」です。
一般的に「消費者」という言葉は「コンシューマー」とほぼ同じ意味で使われています。
小売店で販売されるもののほとんどは顧客が自分のために利用するために購入するものです。
「コンシューマー」が購入したものはその後流通の流れに乗ることはなく最終的な消費者として消費して終わりになります。
「コンシューマー」の使い方
・『新製品の開発ではコンシューマーの意見を参考にしている』
・『コンシューマーを無視した販売プランでは成功するはずがない』
・『評判が良かったのでコンシューマー向けにも販売することになった』
・『コンシューマー相手のビジネスを始める』
「エンドユーザー」とは?
「エンドユーザー」とは、「流通の流れにおいて最終的に商品やサービスを利用する顧客」を意味する言葉です。
「エンドユーザー」が意味するのは「最終消費者として商品やサービスを仕事のために消費する人」です。
商品やサービスを直接販売するのではなく原材料として加工したり燃料として使ったりして仕事をする人が「エンドユーザー」に当たります。
例えば、パン屋は小麦粉を問屋から仕入れてパンを作って販売します。
仕入れた小麦粉を直接店頭に並べて販売するのではなく原材料として使用しているのでこれより先に小麦粉そのものが流通することはありません。
小麦粉の流通においてパン屋は流通の最手段化に当たる「エンドユーザー」となります。
このように「商品やサービスがそのままの姿で流通する最後の顧客」を「エンドユーザー」と表現します。
「エンドユーザー」の使い方
・『エンドユーザーの意見を取り入れる』
・『エンドユーザー向けに商品のラインナップを増やした』
・『製品が出荷さえ手からエンドユーザーに渡るまでに3日かかる』
・『エンドユーザーとの直接取引に力を入れる』
「コンシューマー」と「エンドユーザー」の違い
「コンシューマー」と「エンドユーザー」の違いは「目的と手段」です。
「コンシューマー」が自分のために商品やサービスを利用する最終顧客を指すのに対し、「エンドユーザー」はビジネスなど営利目的で消費する最終顧客を指します。
商品やサービスそのものを目的として消費するのが「コンシューマー」、さらなる富を生み出す手段として消費するのが「エンドユーザー」という違いで区別されます。
まとめ
ビジネス書では頻繁に登場する「コンシューマー」と「エンドユーザー」ですが両者の違いをきちんと理解していないと理解が進みません。
同じ顧客でも別のものを指しているので違いを知っておきましょう。