「ご愛顧」と「ご贔屓」は何がどう違うのか。
この記事では、「ご愛顧」と「ご贔屓」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ご愛顧」とは?
「ご愛顧」には、目を掛けるという意味があります。
目を掛けるとは、相手やそのものに対し特別な思いで接する、面倒を見る、可愛がる、といったことを意味します。
この意味から、「ご愛顧」は一般的にお客様や取引先などに対し用いられる言葉となります。
なぜ、友達同士といった関係で「ご愛顧」は用いられないのか。
それは、「ご愛顧」には、金銭を伴うような行為で行うものだからです。
そのため、どれだけ可愛がってもらっていても、金銭を伴わない相手となる友人や先輩、恩師などに用いることはできません。
「ご愛顧」の使い方
「ご愛顧」は、相手に対し感謝の気持ちやお願いするといった気持ちを踏まえ用いることが多い言葉です。
例えば、「ご愛顧を賜り」や「ご愛顧いただきありがとうございます」などといった形で用います。
「ご贔屓」とは?
「ご贔屓」には、目を掛けるという意味があります。
「ご贔屓」が意味する目を掛けるという状況は、自分が気に入った相手や気に入ったものに対し大切にする、お世話をする、といったものとなります。
単に可愛がるだけではなく、実際に様々な角度から、「ご贔屓」となるもののお世話することとなります。
また、「ご贔屓」には、気に入った人やものを引き立てるといった意味もあり、応援する行為も「ご贔屓」となります。
「ご贔屓」の使い方
気に入った人やものをお世話する、応援するといった意味として用いられる「ご贔屓」。
例えば、「ご贔屓のほどよろしくお願いいたします」といった形で相手にお願いする際にも用いられます。
また、自分自身を「ご贔屓」してくれる人を「ご贔屓筋」と言います。
「ご愛顧」と「ご贔屓」の違い
「ご愛顧」は、目を掛けるという行為でも、特に特別な思いで接すること、可愛がるといった意味が強い言葉となります。
それに対し、「ご贔屓」は、特定の人や団体などのお世話をする、応援する、といった意味が強い言葉となります。
この点に違いがある言葉です。
「ご愛顧」の例文
・『当店を長らくご愛顧頂き誠にありがとうございました』
・『長年にわたり、ご愛顧いただいた商品でしたが、今回が最後となりました』
・『地域の皆様のご愛顧のお陰で、着々と店舗数を増やすことができています』
・『本日は、日ごろのご愛顧に対する感謝として、大サービスさせていただきます』
「ご贔屓」の例文
・『本日は、ご贔屓筋へのあいさつ回りをしてきました』
・『いつも、ご贔屓頂いている方からの紹介ということで気合が入っています』
・『父の代から当店をご贔屓頂き、誠にありがとうございます』
・『私のお店は、ご贔屓さんで成り立っているようなものです』
まとめ
「ご愛顧」と「ご贔屓」には以上のような違いがあります。
日常的にもよく用いられる言葉となるため、適材適所出の使い分けが求められる言葉となります。