日本語には同じ読み方をする言葉がたくさん存在しています。
同音異義語と呼ばれる言葉なのですが、その中で「しめる」という読み方をする言葉だけでも、「絞める」と「閉める」があります。
今回は、この2つの言葉の意味の違いや使い方にフォーカスしていくことにします。
「絞める」の意味や使い方
「絞める」は「手や紐で強く押さえつけたり、巻きつけたりする」、または「そのようにして殺す」という意味がある言葉です。
「腕で相手の首を絞める」というようにちょっと凄惨な光景が目に浮かぶかもしれません。
しかし、この他にも「今朝、絞めたばかりの鶏だから新鮮だよ」というような使い方もあるでしょう。
「閉める」の意味や使い方
「閉める」には「ドアや扉を動かして隙間間を塞ぐ」という意味があります。
「閉じる」(とじる)という読み方もあります。
「窓を閉める」という使い方がポピュラーですが、この他にも「ガスの元栓を閉める」、「ドアに鎖をかけて閉める」などの使い方もあり、ごくありふれた日常空間での状況の中で、耳にしたり見ることができる言葉です。
「絞める」と「閉める」の違い
では、「絞める」と「絞める」の意味の違いはどのようなものなのでしょうか?
前述の通り、「絞める」は「紐などで強く巻きつけたりする」という意味から「首を絞める」というような使い方に限定されます。
片や、「閉める」は、「開いているドアや扉を塞ぐ」ということになりますので、全く言葉のニュアンスが異なります。
特に「閉める」は「開閉」の一部の言葉と理解できれば、「絞める」とは意味合いが大きくかけ離れていることが理解できるでしょう。
「絞める」を使った例文と意味を解釈
「絞める」を使った例文を見ながら活用場面を挙げると、「首を絞めて殺された形跡があるので、これは殺人事件と断定された」というような使われ方もあります。
刑事ドラマで見るような文章ですが、昨今はこの例文が合致する悲惨な事件が多発しています。
尊い命があまりにも軽く扱われていることに、ある種の怒りさえこみ上げて来そうです。
「閉める」を使った例文と意味を解釈
では、「閉める」を使った例文を見てみましょう。
「30年も続けてきた中華料理店を閉めることになった。ここまでやれてこれたことに感謝している」
このように「閉める」は、店舗を閉じるようなことでも使われます。
この例文でも、長い間、経営してきた中華料理店を「閉める」ことにしたのです。
「閉める」理由は様々考えられますが、オーナーさんが高齢になり後継者がいないために「閉める」場合もありますし、台頭してきたファミレスに押されて、「閉める」ということも考えられます。
まとめ
「絞める」と「閉める」の2つの言葉の意味や使い方を見てきました。
同じ発音でも、解釈が全く異なる言葉ですが、世の中にはこのような類いの言葉が数多く使われています。
そのために、普段のメールやレポートでも、間違わないように注意しなくてはなりません。