犯罪を起こした人物は刑務所に送られて刑罰を受けます。
その形態には「禁固」や「拘留」があり、それぞれ期間や内容が異なるのが特徴です。
この記事では、「禁固」と「拘留」の違いを分かりやすく説明していきます。
「禁固」とは?
「禁固」とは犯罪を起こした人物が刑務所に送られて収監される刑罰のことを表す言葉です。
刑務所での刑罰は労働するものが有名ですが、「禁固」に関してはこの労働は行われないのが特徴です。
「禁固」の期間は最短でも1ヵ月以上となっており、小規模から中規模の犯罪や事件に対して適応されます。
「禁固」の中でも比較的多いものとしては交通事故、人身事故、政治的な犯罪、内乱罪、選挙違反などがあります。
比較的軽い内容など数か月で済む場合もありますが、重い犯罪や事件に対しては最大で20年もの「禁固刑」を課すことが可能です。
「禁固」に関しては期間が長きに渡ることもあり、それ故に執行猶予の制度が導入されています。
「拘留」とは?
「拘留」とは犯罪を起こした人物が刑務所送られて収監される刑罰を表す言葉であり、こちらは「禁固」と比べると期間が短いのが特徴です。
「拘留」の期間は1ヵ月未満となっており、小さな犯罪や事件に対して適応されます。
期間が短いという特徴から「拘留」には執行猶予の期間は存在せず、「拘留」は決定され次第実刑となり刑務所などに収監されます。
「拘留」も「禁固」と同様に労働がない刑罰であり、比較的軽い事件や犯罪に対して適応されるのが特徴です。
「禁固」に関しては期間が長いことから受刑者が自ら進んで労働をボランティアとして申し出るケースもあり、この辺は柔軟に対応されます。
「禁固」と「拘留」の違い
「禁固」と「拘留」の違いは刑務所に収監される期間であり、「禁固」は1ヵ月以上から最大20年と長期にわたる可能性があります。
「拘留」は1ヵ月未満の収監であり、この2つはどちらも強制労働がないのが特徴です。
また「禁固」には執行猶予の制度が適応されますが、「拘留」は期間が短いために執行猶予の制度は存在しません。
この2つの類義語としては「懲役」がありますが、こちらは刑罰や更生として労働することが義務付けられているのが特徴です。
「禁固」の例文
・『政治家の禁固刑が決まり、期間は15年という長いものとなった』
・『彼の犯罪は禁固刑に決まったが、執行猶予が認められたのは妥当だと思います』
「拘留」の例文
・『軽犯罪により拘留されたことがありますが、労働がないとは言っても気分は最悪でした』
・『繁華街で暴れたヤンキーは2種間の拘留となり、少し安心しました』
まとめ
法治国家である日本では犯罪や事件に対しての刑罰がしっかりと法律で定まっています。
強制労働がない「禁固」や「拘留」、労働義務がある「懲役」は法律によって決められるものであり、「禁固」や「懲役」に関しては執行猶予が認められるケースも存在します。
また「禁固」や「拘留」の間にある「罰金刑」は名前の通り罰金を支払うという点で特徴が異なりますが、こちらも人によっては負担が重い刑罰として有名です。
「禁固」や「拘留」された受刑者は単純に収監されている状況になっているので、暇を持て余すことも多く読書や運動をして過ごすために、世間一般の犯罪者の更生というイメージとは少し異なっているのが特徴です。