社内で行われる「ジョブローテーション」と「人事異動」は同じことなのか。
それとも、異なったことなのか。
この記事では、「ジョブローテーション」と「人事異動」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ジョブローテーション」とは?
「ジョブローテーション」を行う目的は、社員の能力開発です。
この「ジョブローテーション」は、人事計画に基づいて行われ、戦略的人事異動とも言われています。
これによって、様々な部署を経験し、多様な実績、経験を持つ社員を育てることが可能となります。
複数の部署を経験させることで、すべての社内業務を把握した人材を育成することができるほか、新人の適正化を図ることも可能、経営幹部候補を育成することも可能です。
そのほか、マンネリ化を予防することができ、各部署を活気つけることもできます。
また、様々な部署を経験することで、各部署へのネットワークも構築することができ、大企業でも部署の壁をなくした組織作りを行うことが可能です。
このように会社に様々なメリットがあるだけではなく、社員にとっても、様々なスキルを身に着けることができるといったメリットがあります。
「人事異動」とは?
「人事異動」の目的は、配置転換や昇進、出向、欠員補充などとなります。
「人事異動」を行うことによって、マンネリ化を防ぐ効果を期待することができるほか、人材構成の適正化を図ることが可能となります。
「人事異動」は、年齢や在職年数、階級や資格の有無、健康状態などに応じて行われ、多くの場合、年度末に行われています。
「ジョブローテーション」と「人事異動」の違い
「ジョブローテーション」と「人事異動」の目的は異なります。
「ジョブローテーション」の目的は、あくまでも、社員の能力開発です。
そのため、昇進などに関係なく行われます。
それに対し、「人事異動」の目的は社員に似合った場所への移動となり、この移動によって社員の能力開発を行うものではありません。
「人事異動」の場合、すでに、その部署やその地位に似合っていると判断することができた人に対し行うものとなります。
このように例え同じ部署移動でも、その目的に大きな違いがあります。
期間にも違いがあり、「ジョブローテーション」の場合は、概ね2年から3年ですが、「人事異動」は、それよりも長期的なスパンで行われます。
そのため、その部署でしっかりと自分の力を発揮することが可能となります。
それに対し、「ジョブローテーション」は、能力を身に着けるためだけとなってしまいます。
まとめ
以上のように「ジョブローテーション」は、能力開発を目的とし、「人事異動」は、配置転換や昇進、出向、欠員補充などとなります。
このように目的が異なることから、それぞれが持つメリット・デメリットは異なります。
また、「ジョブローテーション」の場合、不向きな社員もいることも確かです。
頻繁に行われる会社もあり、そのたびに新しい知識を身に着ける大変さからストレスに感じてしまう社員もいます。