この記事では、「遺品」と「形見」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遺品」とは?
「遺品」には2つの意味があります。
ひとつは、人間が生命をなくしたときに残していく品物です。
人間が生活していくためには、衣服、調理器具、家電製品などが必要です。
こういったものは、生命ある間は使用して、自分の家に保管されています。
人間はいつ死を迎えるかわかりません。
そのため、明日死ぬから自分が持っているものをすべて処分しよう、というわけにはいきません。
全てのものを処分した後にも生命が続く場合、何を着たらよいのでしょうか。
何を使って生活をしたらよいのでしょうか。
必要なものは生命ある間は残されます。
そして、死を迎える直前にすべてのものを処分できないので、死後には所有していたものが保管していた場所に残ります。
この残ったものを指す言葉です。
遺族などが必要としない書類、下着、入れ歯などや、遺族が欲しくなるような貴金属、家電製品など、さまざまなものがあります。
もう一つの意味は忘れ物です。
誰かが置いて持って行くのを忘れてしまったもの、誰かが落として気づかなかったものなどを指します。
「遺品」の使い方
生命あるものが生命をなくしたときに残していく品物を指して使用されます。
「形見」とは?
「形見」には2つの意味があります。
ひとつは、生命をなくし向こうの世界に行った人や、別れた人などを思い出す頼みとするものです。
たとえば、母がいつも身に着けていたアクセサリーがあったとします。
そのアクセサリーを見ると母のことを思い出します。
母はすでに亡くなっています。
自分はこのアクセサリーを母を思い出すものとして大切にしています。
こういったものを意味する言葉です。
もう一つの意味は、過去を思い出させるものです。
旅をしたときのことを思い出させるもの、卒業をしたときのことを思い出させるものなどをいいます。
「形見」の使い方
ある人のことを思い出す頼みとするものという意味で使用することが多いです。
残された人が思い出とするようなものをいいます。
「遺品」と「形見」の違い
生命をなくしたものが残していった品物という意味が似ていますが、意味合いがやや異なります。
「遺品」は遺族にとってどうでもいいものも、思い出となるものも含まれます。
「形見」はどうでもいいものではなく、亡くなった人を思い出すものを指します。
それぞれの言葉は2つの意味を持っており、その部分にも違いがあります。
「遺品」の例文
・『遺品が多いと整理が大変』
・『遺品を処分する』
・『遺品の中から高級な物が出てきた』
・『遺品を業者に引き取ってもらう』
「形見」の例文
・『形見をなくしてしまった』
・『形見を肌身離さずも持っている』
・『形見を大切に保管する』
・『祖父の形見のハサミ』
まとめ
生命をなくしたものが残していった品物という意味が似ていますが、それが思い出となるものなのか、それ以外のものも含むのかという点に違いがあります。