この記事では、「交差」と「交叉」の違いを分かりやすく説明していきます。
「交差」とは?
二本以上の線状のものがひとつの場所で交わることで、交差点であれば二本の道路、例えば南北方向と東西方向が交わるところとなります。
漢字の十であれば縦線と横線が交差してできている文字ということが出来ます。
鉄道と道路、川と道路や鉄道でも交差することがあり、川が相手であれば橋をかける、鉄道と道路では踏切を作るか高架線を作って交差させるケースがありますが、鉄道だけであれば平面交差という例も見られます。
また、鉄道の線路を分岐させるポイントも交差ということが出来ます。
歩道橋は歩道だけに着目すると、直角に曲がっていることなどの点はあるものの、交差する点となります。
コロナウイルスワクチンの交差接種という言葉は、一回目と二回目で異なるメーカーのワクチンの接種または、一回目二回目で同じメーカーのワクチンを接種し、三回目で異なるメーカーのワクチンを摂取するというケースを指します。
「交叉」とは?
二本以上の線状のものがひとつの場所で交わることという意味で、交差と全く同じ意味の言葉です。
字がわかりやすい交差への統一が進められているわけではなく、医学用語における神経の交叉、脳の場所である視交叉上核という学術的な用途の言葉だけでなく、交叉カーテンという比較的日常的な言葉にも使われています。
交差点も昔の表記では交叉点となっていましたが広島県の広交叉点、広白石白岳交叉点循環線などに名残が見られます。
また、昔の言葉遣いであり風情が増す表現になるため、書籍のタイトルや音楽のタイトルとして交叉点という言葉を使うケースもあります。
なお、今後交差点が作られるケースでは由来などがない限りは交叉ではなく交差点となると考えられます。
「交差」と「交叉」の違い
「交差」と「交叉」の違いを、分かりやすく解説します。
交差と交叉は二本以上の線状のものがひとつの場所で交わることという意味の言葉で、道路の交差、パンタグラフの下側の枠の交差、鉄道と道路の交差、川と道路の交差など様々な交差があります。
交差と交叉は言葉としては意味が全く同じです。
ただし交叉の方が言葉としては古いもので、現在では積極的に使われるものではなくなっており、新しく交差点が作られるときの名称に交叉点と付けられるケースはほぼありません。
また、現在地名として交叉とついているケースもかなり少なくなっていますが、医学用語や商品名などに交叉は使われており、交叉という言葉を全廃するという方向ではありません。
まとめ
交差と交叉は意味が同じ言葉で、発音も全く同じこうさとなっているため、発音して使う場合には差異が伝わらないものとすら言えます。
叉という文字が当用漢字に無いということがこの状況になっている理由ですが、今後交叉という言葉が交叉ほど広く使われるということにはならないでしょう。