先に払うお金でも用途が異なる「仮払金」と「前払金」。
この記事では、「仮払金」と「前払金」の違いを分かりやすく説明していきます。
「仮払金」とは?
「仮払金」とは、仮に払うお金。
つまり、何かに使用する目的で仮に前もって払っておくお金を意味します。
今後、何にどれだけ使用するかまでは決まっていないものの、今後の業務において一定の金額が必要だと見込まれる場合に、とりあえずといった形で払うお金が「仮払金」です。
そのため、細かな使用用途はありません。
例えば、1泊2日で出張に行く場合、ホテル代や新幹線などの交通費は事前に把握できるものの、出張先での細かな経費までは事前に把握することが難しくなります。
その場合、「仮払金」が支払われ、出張先から戻った後に、何にいくら必要でどれだけ使用したかを明確にしてから精算を行います。
このように、「仮払金」の場合、事前にお金が支払われるものの、そのお金を何にどれぐらい使用するかは未確定の状態となります。
「前払金」とは?
「前払金」とは、前に払うお金。
つまり、事前に支払っておくお金を意味します。
商品の仕入れを行う場合、その商品の代金の一部を納入前に支払うことがあります。
これが「前払金」です。
「前払金」の場合、何を購入するのか。
その代金はいくらなのか。
といったことが明確で、その明確な商品や金額に対し、互いに取り決め支払った一定の金額が「前払金」となります。
例えば、5万円の商品を購入することになった際、その一部、3万円を事前に支払った場合、それが「前払金」です。
このように、「前払金」の場合、使用用途も金額も明確なものとなります。
「仮払金」と「前払金」の違い
「仮払金」も「前払金」も、どちらも、事前に支払うお金といった意味では同じです。
しかし、その用途に大きな違いがあります。
「仮払金」の場合、使用用途が明確ではないものに対し支払われるお金ですが、「前払金」の場合、使用用途は明確です。
「仮払金」の場合、今後、どの程度のお金が必要だということまではわかっているものの、何にいくら必要なのかまでは明確ではありません。
そのため、あくまでも概算額となります。
そのような状態で前もって支払われるお金が「仮払金」です。
一方、「前払金」の場合、前もって、何にいくら必要なのかということはわかっている状態となります。
そのうえで、その一部の金額を前もって支払われるお金が「前払金」です。
「仮払金」は主に出張などの経費に用いられ、「前払金」は商品などの購入の際に用いられるお金となります。
以上が「仮払金」と「前払金」の違いです。
まとめ
「仮払金」と「前払金」は、同じ事前に支払うお金でも、その用途に大きな違いがあります。
金額などには関係なく、使用目的が明確なのか。
そうでないのか。
といった違いにおいて、「仮払金」と「前払金」という言葉が使い分けられ仕分け処理を行う流れとなっています。