この記事では、「予算組み替え」と「予算流用」の違いを分かりやすく説明していきます。
「予算組み替え」とは?
「予算組み替え」は、あらかじめ予算の額を確保したうえで、最初に発案した予算の使い方と異なる使い方をするというものです。
例を挙げれば、高速道路を作る予算が確保されていたが、別のことに利用しようとなり、火災に関する対策を講じるのように予算の使い方を変更することが「予算組み替え」です。
ただし、「予算組み替え」は、必ず、決められた予算額である点が重要でそれを超えて別の物への組み換えは許されません。
「予算流用」とは?
「予算流用」は、マイナスになっている項目の予算に対して、プラスになっている予算を持ち出して、加算することです。
こうすることで形式的にはマイナスになっている場所はないとなります。
ただ、この問題は、予算を補正しないでマイナスの事業をマイナスだと言わずにプラスにする者がいるが故、本当はマイナスで運営を停めるべきものをあえて止めないという暴挙に出ているケースがあるが故問題視されるのです。
「予算組み替え」と「予算流用」の違い
両者の違いは、目的が異なり、「予算組み替え」は、元々の予算を別のことに生かそうというものであるに対して、「予算流用」は、赤字部門を黒字に見せたり、穴埋めによって失敗している事業は存在しないという目的があります。
「予算組み替え」の例文
・『予算組み替えによって、道路交通対策から防災対策へと予算を組み替える』
この例は、あらかじめ決められた予算があり、本来は道路のインフラを整えるのに使用するはずだったが、防災対策へと切り替えたという例です。
なお、あらかじめ決められた予算を超過することは、「予算組み替え」においては許されません。
「予算流用」の例文
・『予算流用はあくまで例外的な手段である』
この例は、赤字部門を黒字であると見せる「予算の流用」はあくまで例外的な手段だということです。
よって、「予算流用」は緊急時において例外で認められるものが多いのですが、場合によっては、赤字部門を隠すための手段に用いていると第3者が判断した場合、流用したことに関して快く思わないでしょう。
つまり、お金を貸したりする側からすれば、本当に一時的なもので少しの赤字が見られる場合、安心してお金を貸せますが、そうではない場合、その部門にお金を支払いたいか援助したいかという問題が生まれるのです。
まとめ
「予算組み替え」については、簡単に言えば、あらかじめ決まっている予算で別のことをやろうというもので、「予算流用」は、銀行などに対して赤字が一時的に出たけど、他で即座に賄いましたという証明をするためのものになります。
ただ、「予算流用」が問題になるのは、銀行ではなく、株主や投資をしてくれる人に対して、赤字が続いている部門に予算をつぎ込まれた場合、どう思うかでおそらく出資をやめようかなという判断になるが故、「予算流用」はあくまで一時的で即座に回復できるものに限るわけです。