この記事では、「劣後債」と「劣後ローン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「劣後債」とは?
「劣後債(れつごさい)」とは、「普通社債よりも利率の水準が高い代わりに、会社が倒産したときに出資したお金やその利息が返済されにくい債券」を意味しています。
「劣後債」はシンプルに説明すれば、「会社の経営破綻に際した元本・利子の返済において、返済される順番が遅めに設定されている債券」のことになります。
「劣後債」は「株式の発行」よりも「もしもの倒産時の返済義務」は強めになります。
しかし、「劣後債」は「資本金・資本剰余金の増加」にはならないので、「支払うべき税金」が「株式」よりも少なくなるというメリットを持っています。
「劣後ローン」とは?
「劣後ローン」とは、「いざその企業の経営が破綻したときに、元本や利息が返ってくる順番が低く設定されている貸付の仕組み」のことです。
「劣後ローン」は一般的なローン(融資)と比較すると、「ローンを組ませた先の会社が倒産した場合」において、そのローンの元本・利息が優先的に返済される可能性が低くなります。
そのリスクの高さと釣り合わせるために、「劣後ローン」では、「一般的なローン(融資)よりも支払わなければならない利率が高めに設定されている」という特徴があります。
「劣後債」と「劣後ローン」の違い
「劣後債」と「劣後ローン」の違いを、分かりやすく解説します。
「劣後債」も「劣後ローン」も、「投資先におけるもしもの経営破綻時に、出資したお金や利子が返される順番が遅いもの」を意味している点では同じです。
しかし、その「出資金・利子などが返ってくる時に後回しにされる投資先についての概念」が「債券」であるのか「貸し付けしたお金・融資のローン」であるのかが違っているのです。
実質的には両者の違いはほとんどないのですが「劣後債」は、「利子のパーセンテージを高めに設定している代わりに投資資金の元本が戻ってきにくい会社の債券」を指しています。
それに対して、「劣後ローン」のほうは「利息をより多めに受け取ることができるが破綻時に元本が返ってきづらい貸付金」を意味している点が異なっています。
「劣後債」の例文
・『劣後債は一般的な普通債券と比較するとハイリスクな投資対象ではありますが、受け取れる利率は高くなるという魅力はあります』
・『劣後債を発行する資金調達方法の利点として、資本剰余金の発生と連動している法人住民税を節税できることがあります』
「劣後ローン」の例文
・『劣後ローンに出資してから当初の二年間ほど多くの利子を受け取ることができたのですが、その後に会社が倒産して元本をすべて失いました』
・『劣後ローンで貸したお金は経営破綻した時に返ってきにくくなるので、余剰資金が少ない場合の投資対象としてはおすすめではありません』
まとめ
この記事では、「劣後債」と「劣後ローン」の違いについて説明しましたがいかがでしたか?「劣後債」とは、「会社の破綻時に出したお金が返ってくる順番が遅く設定されている債券」を意味しています。
「劣後ローン」のほうは、「劣後債と同じく返済される順序が遅いローン」を指している違いがあります。
「劣後債」と「劣後ローン」の違いをリサーチしたい場合は、この記事の解説をチェックしてみてください。