この記事では、「持参債務」と「取立債務」の違いを分かりやすく説明していきます。
「持参債務」とは?
持参債務とは、じさんさいむという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を目にすれば明らかな事ですが、金品を持って行く事や持って来る事といった意味の持参の漢字に、ある人が他の人に対して一定の行為をしたりしない事を内容とする義務といった意味の債務の漢字を加える事で成立した言葉となっています。
だからこそ持参債務は、債務者が債権者の住所や営業所等に給付の目的物を持参して履行しなければならない債務を表すのです。
「持参債務」の使い方
持参債務は、債務者が債権者の所に金銭等の給付しなければならない目的物を持って行って引き渡す必要があるという債務に対して、使用される言葉です。
基本的に債務者が債権者の住所や営業所を直に訪れて、現物として給付すべき者を渡す事で債務が消滅するという仕組みの債務となっています。
「取立債務」とは?
取立債務とは、とりたてさいむという読み方をする言葉とです。
文字で表記されたこの言葉を見れば即座に理解出来ますが、催促して徴収する事や強制的に取るといった意味を持つ取立の文字に、債務者が債権者に対して給付等の一定の行為をする事を内容とした義務といった意味を有する債務の文字を加える事で誕生した言葉となっています。
そのため取立債務は、債務者の住所や営業所で履行されなければならない債務を示すのです。
「取立債務」の使い方
取立債務は、債権者が債務者がいる所まで取りに行く事で給付を受けるという債務を表現する際に使用される言葉となっています。
この様に文字通り、債権者が取立により債務者の給付の履行を受けるという債務に対して、用いられる言葉です。
なので債務者は債権者に履行の準備が出来た事を伝える事で、遅延を免れてスムーズな履行が可能となります。
「持参債務」と「取立債務」の違い
持参債務と取立債務は、文字を比べれば最初に持参が付くか或いは取立が付くかという明確な違いがあるのです。
ですがその後に続くのが同じ債務の漢字で、債務に関連した言葉同士となっています。
もっとも持参債務は、債務者が債権者の住所や営業所を訪れて、給付の目的物を引き渡す必要がある債務を表現する言葉です。
一方の取立債務は、債権者が債務者の住所や営業所を訪れた上で履行すべき債務を示す言葉となっています。
「持参債務」の例文
・『定期購読している新聞は、債務者である新聞業者が債権者である購読者の元に新聞を届けるので、持参債務の1種と呼べます』
「取立債務」の例文
・『会社で支払われる給料は、取立債務の1つの例です』
まとめ
2つの言葉は、同じ債務という言葉が使用されている事でも分かる様に、どちらも債務に関連した言葉となっています。
ただし最初に付くのが持参と取立という違いがあるため、示す意味にも違いが生じているのです。
ちなみに持参債務は、債務者が債権者の住所に給付の目的物を持参し履行する必要がある債務を表します。
対する取立債務は、債権者が債務者の住所や営業所を履行の場所とする債務を意味する言葉です。