「ヘッジファンド」と「機関投資家」の違いとは?分かりやすく解釈

「ヘッジファンド」と「機関投資家」の違い金融・経済

金融関係のニュースで耳にすることの多いワードとして「ヘッジファンド」「機関投資家」があります。

どちらも大量の資金を運用する集団ですが具体的に指しているものは異なります。

今回は、「ヘッジファンド」「機関投資家」の違いについて解説します。

「ヘッジファンド」とは?

「ヘッジファンド」とは?

「ヘッジファンド」とは「投資家から募った資金をさまざまな金融商品や金融派生商品に投資し利益をめざす集団」のことです。

一般に資金を募って投資活動をする集団を「ファンド」と呼びますが「ヘッジファンド」はファンドの中でも特にリスクの高い金融派生商品に積極的に投資し高い運用益をめざすファンドのことを指しています。

「ヘッジファンド」の目的は集めた資金を元手に運用を行い高い収益を実現することそのものにあります。

シンプルに言えばお金のために設立されたリスクを回避しながらも高収益が期待される対象に積極的に投資する投資団体がヘッジファンドであり社会貢献や技術による生活の向上など経済的な利益以外を活動の目的に掲げることはないのが特徴です。

本来的な意味の「ヘッジファンド」はリスクを回避する「ヘッジ」を重要視してきましたが近年は運用益の追求が優先される傾向が強くリスクを省みず投機的に資金を運用するケースも目立ちます。

中にはギャンブル的な投機を行う団体もあり、運用される巨額資金により実体経済に影響が及ぶこともあります。

「ヘッジファンド」の使い方

・ヘッジファンドの動向が株式市場の行方を左右する ・全財産をヘッジファンドに投資するのはあまりにも無謀だ。

・ヘッジファンドの動きに各国の経済政策が振り回されてしまう。

・莫大な報酬で知られるヘッジファンドだが労働条件は過酷である。

「機関投資家」とは?

「機関投資家」とは?

「機関投資家」とは「巨額の資金を運用する法人や団体」のことです。

投資家には個人投資家と法人投資家がありますが法人投資家の中でも特に運用資金が巨額でその動向が至上に大きな影響を与える投資家のことを「機関投資家」と呼びます。

一般的に「機関投資家」が指すのは生命保険会社や損害保険会社などの巨額の保険金を運用資金とする保険会社、信託銀行など委託された資金を運用する金融機関、年金保険料を元手に運用する年金基金などです。

「機関投資家」は基本的に長期投資を前提に資金を運用します。

運用資金が巨額で規模が大きいことから1回の売買も高額になり至上に大きな影響を及ぼしますが短期的な売買を繰り返すことはなく、おおむね市場関係者や専門家の予測に近い投資行動で資金運用を行います。

「機関投資家」の使い方

・機関投資家の動向に注目が集まる。

・個人投資家が一斉に動いても機関投資家の影響力には及ばない。

・資金の流れ的に期間投資家が動いていないのは確実だ。

・機関投資家の動きを参考にして投資判断する。

「ヘッジファンド」と「機関投資家」の違い

「ヘッジファンド」と「機関投資家」の違い

「ヘッジファンド」は運用により利益を上げることそのものを目的に集めた資金を運用原資にするのに対し「機関投資家」の運用資金は投資のために集めたものではありません。

保険料や預貯金、年金などの形で集めた資金を元手に運用し出資者に対しても金銭ではなく保険や年金といったサービスの形をとって還元されます。

一般に「ヘッジファンド」は短期的利益を重視しリスクにも積極姿勢をとりますが「機関投資家」は長期的利益を重視しリスクを避ける傾向が見られます。

まとめ

まとめ

「ヘッジファンド」「機関投資家」は巨額の資金を運用するということ以外全く異なる存在なので混同しないように注意しましょう。

金融関係のニュースを見るときはそれぞれの違いを知っておくと理解が進みます。