この記事では、「漂泊」と「放浪」の違いを分かりやすく説明していきます。
「漂泊」とは?
「漂泊」には2つの意味があります。
ひとつは、一か所にとどまらず、あちこちに流れることです。
海に小舟が浮かんでいたとします。
モーターはついておらず、オールを使って進むタイプの舟です。
モーターがないため、波によってすぐに流されてしまいます。
錨を下していないので、ふらふらと波に流されて動いてしまいます。
このような、一か所にとどまらないであちこちに動くさまを意味します。
もう一つは、一つのところにとどまらないで、故郷を離れてあちこち歩くことです。
小説などの中には、旅をする詩人が登場することがあります。
この人はギターなどを片手に、あちこちを歩き回って詩を歌います。
一か所にとどまることなく、あちらの町に、こちらの町にと動き回っているのです。
この人には故郷と呼べる場所があるのかもしれませんが、今は故郷にいるのではありません。
故郷から遠く離れてあちこち歩き回っているのです。
このさまを指しています。
「漂泊」の使い方
一か所にとどまっていないで、あちこちに動き回るという意味で使用をします。
水面に浮かんで動いている場合と、歩いて動いている場合とがあります。
「放浪」とは?
目的もなくあちこちを歩くことです。
自分探しをしている人が、この行為をすることがあります。
たとえば、何をしようというはっきりとした目標はないけれど、インドに行ってあちこちを歩き回ってみるなどが、これにあてはまります。
日本国内を歩き回ることも、この言葉が指すものにあてはまります。
迷子になってあちこちを歩いていることではありません。
この言葉は、一つの住むところを定めないで歩き回ることを意味しています。
迷子の場合は住む場所が一つのところに決まっているので、この言葉が意味するものにはあてはまりません。
「放浪」の使い方
一つの住む場所を決めないで、目的もなくあちこちを歩くことに使用をします。
乗り物を使って移動することには一般的には使用しません。
「漂泊」と「放浪」の違い
一つのところにとどまらないであちこちを歩くという意味が同じです。
前者は故郷を離れてという意味合いがあり、後者は住むところを定めずに目的もなくという意味合いがあります。
また、前者には水面に漂ってあちこち動くという意味もあります。
「漂泊」の例文
・『町から町へと漂泊する』
・『彼は漂泊をしている』
・『漂泊の旅人と呼ばれている』
・『漂泊していたところを発見される』
「放浪」の例文
・『放浪から戻ってきた』
・『彼は放浪をしてしまった』
・『放浪先からの手紙』
・『1年ほど放浪をしていた』
まとめ
一つのところにとどまらないであちこちに移動するという意味が似ていますが、使い方に違いがあります。
また、一方は歩いて移動することだけでなく、水面に浮かんで移動する意味もあります。