「醗酵」と「発酵」の違いとは?分かりやすく解釈

「醗酵」と「発酵」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「醗酵」「発酵」の違いを分かりやすく説明していきます。

「醗酵」とは?

「醗酵」とは?

微生物が有機物を分解して、特定の物質を作り出す現象のことです。

狭い意味では、酸素がない状態で微生物が糖を分解することをいいます。

「醗」という漢字には、かもすという意味があります。

かもすとは、微生物が麹に含まれる糖を分解する働きを利用して、酒や醤油などを作ることです。

日本酒の作り方を簡単に説明します。

原料となるのは米です。

米を蒸したのち、麹を加えます。

麹にはコウジ菌が付着をしています。

この微生物が米のでんぷんを分解してブドウ糖を作り出します。

その後に酵母を加えます。

酵母はブドウ糖をエサにして、アルコールが作り出されます。

これを火入れやろ過してできたものが日本酒です。

コウジ菌がでんぷんからブドウ糖を作り出す、酵母がブドウ糖からアルコールを作り出すなどが、この言葉が意味するものです。

「醗酵」の使い方

微生物の働きによって有機物が分解されて、特定の物質ができる現象を指して使用します。

日本酒や醤油を作るときに、この言葉が使われることが多いです。

「醗」は常用漢字表にない漢字です。

「発酵」とは?

「発酵」とは?

微生物が有機物を分解して、特定の物質を作り出す現象のことです。

狭い意味では、酸素がない状態で微生物が糖を分解する現象をいいます。

ヨーグルトのことで説明をします。

ヨーグルトの原料は乳です。

乳の脂肪分が分離しないように均質化をします。

安心して食べられるように加熱殺菌をし、冷却をします。

これにスターターを混ぜます。

スターターはヨーグルトを作る際に欠かせないもので、ブルガリア菌やサーモフィラス菌などで構成されています。

よく混ぜたものを容器に入れて、適切な温度のもとに置きます。

しばらくすると、乳に混ぜた菌が乳に含まれる糖をエサにし、乳酸を排出します。

乳酸の働きで乳に含まれるタンパク質が固まってきて、ヨーグルトとなります。

このときに菌が糖を分解して、それによって乳酸などができる現象が、この言葉が意味するものです。

「発酵」の使い方

微生物が有機物を分解して、特定の物質ができる現象を指して使用します。

ヨーグルト、漬物、キムチ、甘酒などについて使われています。

「醗酵」と「発酵」の違い

「醗酵」と「発酵」の違い

2つの言葉が意味するものは同じです。

使用している漢字が「醗」「発」と違いますが、どちらの漢字も使用されています。

「醗」は常用漢字表にない漢字、「発」は常用漢字です。

「醗酵」の例文

「醗酵」の例文

・『醗酵の研究をしている』
・『醗酵を利用した食品』
・『醗酵の様子を観察する』
・『よく醗酵している』

「発酵」の例文

「発酵」の例文

・『発酵した食べものが好き』
・『野菜を発酵させる』
・『発酵させすぎてしまった』
・『発酵していて酸っぱい』

まとめ

まとめ

2つの言葉が意味するものは同じです。

使用している漢字が違いますが、どちらの漢字を使用しても間違いではありません。