「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」の違いとは?分かりやすく解釈

「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」の違いとは?専門用語・業界用語

自動車の任意保険の中でも違いがわかりにくいのが「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」です。

どちらも自動車事故によるケガを補償してくれる保険のようですが具体的な違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」の違いについて解説します。

「人身傷害保険」とは?

「人身傷害保険」とは?

「人身傷害保険」とは「自動車や自転車など車両に搭乗中の事故で死傷した場合に実際の損害額が支払われる保険」です。

交通事故の被害では過失割合という考え方が採用されています。

過失割合とは事故が発生した責任の割合を示すものでどちらか一方だけに責任がある場合は「10対0」どちらも同じ程度責任がある場合は「5対5」というように責任割合に応じて支払われる保険金額が変動します。

「人身傷害保険」は過失割合とは関係なく怪我の治療にかかった実費が支払われます。

万一に備えて保険に加入しているのに自分の過失で事故を起こしてしまったために過失割合で減額されて十分な治療に必要な金額が支払われないとなったら大問題です。

そのような治療費が不足する事態を避けるための保険が「人身傷害保険」です。

「人身傷害保険」ではあらかじめ定められた保険金額を上限に治療にかかった実費や算定基準に基づいて算出された保険金額が過失割合によって減額されることなく満額支給されます。

治療費だけでなく休業による損害や精神的損害なども保証されるので実際の損害額が保険金額の限度額以内であれば事故によって生じた損害の全額が保険で補償されます。

いくつかのタイプがありますが一般的なタイプでは加入者とその家族に限り他人の車に乗っているときの事故や歩行者として自動車事故についても補償されます。

「人身傷害保険」の使い方

・人身傷害保険には絶対に加入しておくべきだ。

・不安なので人身傷害保険の上限を高めに設定しておこう。

・人身傷害保険を見なおして保険料を安くする。

・車に乗る時の備えとして人身傷害保険は必須である。

「搭乗者傷害保険」とは?

「搭乗者傷害保険」とは?

「搭乗者傷害保険」とは、「契約車両に搭乗中の事故で死傷したときにあらかじめ定められた金額を支払う保険」です。

「搭乗者傷害保険」で支払われる保険金額は「入通院5日以内なら1万円」のようにあらかじめ加入時に金額が定められています。

ケガや後遺障害の程度によって金額は異なりますが基準に応じた金額がそのまま支払われます。

「搭乗者」とは加入者名義の契約車両に乗っている人を指し加入者だけでなく同乗者全員が保証対象に含まれます。

「搭乗者傷害保険」の使い方

・搭乗者傷害保険について説明を受ける。

・不安なので搭乗者傷害保険を手厚くしてもらう。

・搭乗者傷害保険の支給手続きを行う。

・保険料は搭乗者傷害保険の内容で変わるらしい。

「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」の違い

「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」の違い

「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」の違いは「保険金が支払われるタイミング」です。

「人身傷害保険」は病院の通院治療費や入院費など事故によって生じた損害の回復にかかった実費が算定基準になるので支払いは損害が回復された後になります。

「搭乗者傷害保険」はかかった金額にかかわらずあらかじめ定められた金額が支払われるので治療の進行状況などとは無関係に損害が出た段階ですみやかに支払われます。

実費が受け取れるが支払いが遅いのが「人身傷害保険」で、定額で実費に届かないこともあるが早く受け取れるのが「搭乗者傷害保険」という違いがあります。

まとめ

まとめ

自動車保険の保証内容は複雑でわかりにくいものが目立ちます。

ふたつの違いを性格に理解して必要な保証内容を知りましょう。