「ロビー活動」と「レントシーキング」の違いとは?分かりやすく解釈

「ロビー活動」と「レントシーキング」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「ロビー活動」【ろびーかつどう】と「レントシーキング」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。

「ロビー活動」とは?

「ロビー活動」とは?

アメリカでは盛んに取り込まれている「ロビー活動」は、政府の政策に多大なる影響を与える特定の主張を必要とする団体や企業が私的に行う政治活動を意味しています。

政治家に対しては陳情団に強く働きかける者をロビイストと呼び、公務員や議会議員相手に自らが持つ主張を訴えて、多くの人にその活動を知ってもらえるように行動します。

政策に対して不満があれば提言し、もっとこのようにすればよくなるだろうとアドバイスして、雇用主の主張を通せるようにはからうわけです。

この「ロビー活動」するのは、外国人が来日して、お金を落としてくれることで経済を動かせるよう国際イベントの誘致で国や自治体が行ったり、自国に有利になるよう他国とスワップ協定して、締結させることもあります。

「レントシーキング」とは?

「レントシーキング」とは?

政府や官僚組職へ民間企業が働きかけて、政治の政策や法制度を変えることを「レントシーキング」と言います。

法制度まで変更してしまうほどの力がある「レントシーキング」により、自らに有利となるように規制設定ができますし、超過利潤を得て規制緩和を目的とした活動します。

この活動する人をレントシーカーと呼び、海外では政治だけではなく、大手企業や団体などがより利益得られるように特権を利用して政府へ働きかけ、法外な口利き料を受け取るという悪い意味で使われている意味が強い言葉です。

「ロビー活動」と「レントシーキング」の違い

「ロビー活動」と「レントシーキング」の違い

「ロビー活動」「レントシーキング」の違いを、分かりやすく解説します。

政策に不満があるときは声を届けて決定したことを変えさせるのが「ロビー活動」であり、自らの主張を強くぶつけていい方向に変えさせたり、経済が活発になるよう誘致する活動を指します。

一方の「レントシーキング」は他国や権力があるものからの圧力の規約を変えさせて、自分たちがいいようになるよう仕向けるというあまりいい意味では使われていない言葉です。

「ロビー活動」の例文

「ロビー活動」の例文

・『19世紀後半に大統領だったユリシーズ・グラントがロビー活動のきっかけを作った』
・『ロビー活動は悪い意味でとらえる日本人は多いが、海外ではいい意味で取り入れられている』
ホワイトハウスの近くに建つホテルがお気に入りだったユリシーズ・グラントは葉巻を吸いにわざわざ立ち寄っていたのですが、その姿が陳情目的で人々が集まるようになり、このような行為が「ロビー活動」と呼ばれるようになりました。

日本では裏金や賭博という悪い印象がある「ロビー活動」ですが、海外では重要性が高いといい意味でとらえる人が増えており、企業間では国際競争で生き残るためにも取り入れています。

「レントシーキング」の例文

「レントシーキング」の例文

・『公的資金を使い、鉄道高架下保育園の家賃を捻出した問題はまさにレントシーキングだ』
・『スポーツの世界でも権力を使って規約を変えさせてしまったことで、選手が勝てなくなってしまうのもレントシーキングだ』
鉄道会社が使われていない高架下保育園として利用したとき、実際にはその3分の1程度の家賃でもいいような場所であるのに、90万円という法外な家賃設定して貸し出しましたが、公的資金を余分に使われているところが問題となります。

そんな「レントシーキング」問題では、かつて強かったスキージャンプの選手を蹴落とすために、国際スキー連盟に対して海外の競技関係者が規約を変えさせたことで日本人が勝てなくなるのでした。

まとめ

まとめ

どちらも政府や企業、団体に意見する活動であり、現状を変えてしまうだけの力があるのが「ロビー活動」「レントシーキング」です。

「ロビー活動」は悪くとらえるだけではなく、中にはいい結果になることもあり、競争で勝ち残るためにあえて意見しますが、「レントシーキング」はたかりや卑怯な意味で使われていることが多いため、いい印象がないものと覚えておくといいでしょう。