選挙制度で使われる用語「小選挙区」と「中選挙区」とは何を指す言葉なのでしょうか。
今回は、「小選挙区」と「中選挙区」の違いについて解説します。
「小選挙区」とは?
「小選挙区」とは、「一つの選挙区から一名の当選者を選ぶ選挙制度」を意味する言葉です。
広い地域を対象に行われる選挙では地域全体をいくつかの選挙区に区分しそれぞれの選挙区から当選者を選ぶ「選挙区制」という方法で選挙が実施されます。
選挙区制では選挙区ごとの当選人数をによって呼び方が変わり、各選挙区から一名ずつ選出する選挙制度のことを「小選挙区」もしくは「小選挙区制」と呼びます。
日本の選挙制度では衆議院銀選挙において採用されています。
「小選挙区」破格選挙区から一名のみが選出されるため全体としてみたと気にはっきりとした優劣がつきやすく、大きな正統ほど有利な選挙制度であるとされています。
その特性から二大政党制をめざすのに向いていますが、小さな正統には不利であることから少数意見の切り捨てに繋がりやすいというデメリットも指摘されています。
もう一つのデメリットとして落選者に投票される死票が多くなるという点にも注意が必要です。
「小選挙区」ではたった一名の得票以外すべてが死票になってしまうため、場合によっては当選者の得票の合計よりも死票の合計のほうが多くなる可能性もあります。
投票が市民の意見の表明であると考えるならば死票の多さは懸念材料です。
「小選挙区」の使い方
・『小選挙区では熾烈な闘いが繰り広げられた』
・『苦戦が伝えられる小選挙区に応援演説が入る』
・『有権者の熱烈な支援により小選挙区で圧勝できた』
・『小選挙区でどのくらい勝てるかによって政権の行方が左右される』
「中選挙区」とは?
「中選挙区」とは、「一つの選挙区から複数の当選者を選ぶ選挙制度」を意味する言葉です。
選挙区から選出される人数はそれぞれの選挙によって異なりますが「一つの選挙区から二名以上の当選者を選出する選挙制度」のことを「大選挙区制」と呼びます。
「大選挙区制」の中でも特に選出される人数が多くない場合を指して「中選挙区」もしくは「中選挙区制」と呼びます。
日本では参議院議員選挙のほか各地方選挙などで採用されている方式です。
「大選挙区」と「中選挙区」を区別する明確な基準はなく慣例で使い分けられています。
参議院議員選挙の「中選挙区」では選出人数6人の区が最大であったことからおおむね2~6人程度を選ぶ選挙区のことを「中選挙区」と呼んでいます。
「中選挙区」の使い方
・『中選挙区では与党が擁立した2人の候補がともに当選を果たした』
・『中選挙区なら少数政党でも議席を獲得するチャンスがある』
・『選挙制度の見直しにより中選挙区の当選人数が増えた』
・『都市部の中選挙区ではリベラル系が強い傾向が見られる』
「小選挙区」と「中選挙区」の違い
「小選挙区」と「中選挙区」の違いは「選出人数」です。
選挙区から1人を選出するのが「小選挙区」、2~6人程度を選出するのが「中選挙区」です。
「中選挙区」よりさらに多い人数を選出する選挙区は「大選挙区」と呼ばれます。
投票方法や立候補のルールなどに違いはなく、選出人数のみで区別されています。
まとめ
「小選挙区」と「中選挙区」は選挙制度で必ず登場する言葉です。
選挙の行方にも大きく関わる言葉なので政治に関心があるなしにかかわらず選挙権を持つ人なら知っておきましょう。