「マダム」と「マドモアゼル」の違いとは?分かりやすく解釈

「マダム」と「マドモアゼル」の違い言葉・カタカナ語・言語

女性に対して用いられる言葉に「マダム」「マドモアゼル」があります。

このふたつの言葉はどのような基準で使い分られているのでしょうか。

今回は、「マダム」「マドモアゼル」の違いについて解説します。

「マダム」とは?

「マダム」とは?

「マダム」とは、「成熟した女性に対して用いられる敬称」を意味する言葉です。

「マダム」はフランス語であり元々の意味は「婦人」です。

本来の「マダム」「既婚女性に対する敬称」ですが現在では「未婚既婚に関係なく成熟した大人の女性に対する敬称」として使われています。

若い女性ばかりがもてはやされる風潮も一部には残っていますが「マダム」というのはそのような価値観とは正反対の成熟を尊ぶ考えに基づく敬称です。

フランスでは成熟している人というのは尊敬の対象であり女性の場合も大人の女性には一定の敬意が払われます。

「マダム」と言うのは敬意を払うべき対象であるということを表明する言葉でもあるため「マダム」と呼びかけるだけで相手に対する一定の経緯を示すことになります。

現在では「マダム」といえば「美しく歳を重ねた女性」に対して使われることが多く、言葉そのものが一種の褒め言葉として機能しています。

「マダム」の使い方

・『社交界でマダムと交流する』
・『レストランでは支配人の他に接客担当のマダムが働いている』
・『マダムのおしゃべりが人気のサロンに参加する』
・『マダムと呼ばれる年齢になってもおしゃれには余念がない』

「マドモアゼル」とは?

「マドモアゼル」とは?

「マドモアゼル」とは、「若い女性に対して用いられる敬称」を意味する言葉です。

「マドモアゼル」はフランス語の敬称の一種で年若い女性に対して使われます。

日本語に訳すと「お嬢さん」というようなニュアンスで使われる表現で、まだ成熟していない未熟さを残す女性に対して用いられます。

本来は未婚の女性に対して用いられる敬称ですが見込んであってもある程度年齢を重ねて成熟した女性に対しては使われません。

初々しさや幼さを残すような保護対象として扱うべき年若い女性に対して使う言葉です。

「マドモアゼル」の使い方

・『パリを歩いていたらマドモアゼルと呼びかけられた』
・『マドモアゼルと呼ぶべきかどうか迷う微妙な年齢だ』
・『日本人としてはマドモアゼルと呼ばれることに違和感を拭えない』
・『マドモアゼルの発音を練習する』

「マダム」と「マドモアゼル」の違い

「マダム」と「マドモアゼル」の違い

「マダム」「マドモアゼル」の違いは「成熟度」です。

欧米で人々の間に深く根付いているキリスト教敵価値観において子供は大人になっていない未完成な存在とみなされます。

アジア的価値観では子供もひとりの人間として尊重する傾向が強くお小遣いという形で裁量権を与えていますが、欧米的な価値観では子供に与えるものは親の責任において選ぶものとされています。

「マダム」「マドモアゼル」もこのような価値観の影響を強く受けています。

自己決定権を持つ成熟した女性が「マダム」、大人が保護しなければいけない未成熟の女性が「マドモアゼル」という基準で使い分けられています。

まとめ

まとめ

長らく続いてきた「マダム」「マドモアゼル」の使い分けですが、近年は女性差別や年齢差別につながるとして徐々に廃れつつあります。

行政文書では「マドモアゼル」が廃止され「マダム」に統一されるなど大きな変化のさなかにあるので使い分けには注意してください。