この記事では、「牛」【うし】と「丑」【うし】の意味や違い、例文を分かりやすく説明していきます。
「牛」とは?
ウシ属の「牛」は多くの国で食べられている動物であり、日本では霜降りののった良質な肉を生産しているため海外でも人気を集める高級食材として輸出しています。
アフリカやアジアで生息しているものは主に水牛であり、畑を耕したり、林業などで伐採した木を運ぶなど農業に一役買っています。
胴体が太く、短い首と脚が特徴的な体型と、4つの胃袋がある草食動物です。
干し草や牛用の餌を食べて、適度に運動させることで肉つきも良くなり、甘みと旨みが強く出た良質な肉になります。
海外では古くから家畜として育てられ、ステーキやハンバーグの材料として「牛」は人気がありました。
牝牛【メスウシ】は牛乳となる乳牛として飼われることもあり、仔牛はソテーとして料理されています。
そんな「牛」は反芻動物であり、食べた物を一度呑んで下すことで消化器に食物をまた口の中に戻してから咀嚼」【そしゃく】したものを呑みこむように食べることで食材の栄養がより体内に吸収されるようにするわけです。
25,000個以上もの細菌類を多く持ち合わせ、下顎が20本、上顎に12本の歯を持ち、固体ごとに鼻紋が違うため識別に使われています。
「丑」とは?
十二干である「丑」は、二番目に数えられるものであり、次は寅になります。
西暦を12で割ることで5があまった年に「丑年」と呼び、旧暦12月が丑の月になります。
この「丑の刻」と呼ばれる時間は午前2時から始まり、2時30分までの間のことを指します。
他にも「丑の方」と呼ばれる位置を指す言葉としても使われており、北基準右廻りの30°を意味し、北東より北の方角となります。
そんな「丑」の由来は、「紐」【ひも】という意味があり、芽が種子の中に生じたことでそれ以上成長しない状態になっているさまを表します。
指をかぎ型に曲げた状態で糸を編む象形としても使われており、動物の牛となったわけです。
様々な使い方のできる漢字であり、「寒の土用の丑の日」【かんのどようのうしのひ】では寒土用や冬土用の間を指し、1年間に4回、この日は体力をつけるため多くの人が鰻を食べるようになりました。
「牛」と「丑」の違い
「牛」と「丑」の違いを、分かりやすく解説します。
日本で飼われている「牛」は食用とされる畜牛【ちくぎゅう】になる個体が多く、腸や胃袋など内臓のほとんどが食べられ、骨は加工食品に使われています。
牛皮は鞄や靴、ベルトなどに利用され、質がいいものは高級品として扱われて高額で取引されており、経済に一役かっています。
牛糞は室内を暖めたり、調理するときの燃料として使う国がありますし、土壌改良として肥沃の大地に栄養豊富な畑や田んぼにするなどその用途は多岐に渡ります。
世界では牛同士で戦わせる伝統的娯楽のために利用したり、信仰の対象としてインドでは大事にされています。
一方の「丑」は主に干支に使われている漢字で「丑年」と表し、この年には牛の絵が描かれた年賀葉書で挨拶したり、縁起のいい置物が売られ、多くの人が意識して購入します。
「丑の刻」や「丑の日」など時間や日を表すときに使われているところも「牛」という漢字とは違う点です。
まとめ
日本では、主に食用として飼われているのが「牛」であり、牛乳や国産牛として飼育されている動物を指す言葉になります。
性格はおとなしいため小屋の中でも飼いやすく、人に対して従順にしたがう生き物を指しますが、一方の「丑」は干支を表したり、時間や日にち、方角などに疲れている異体字であり、誠実によく働く牛の姿から縁起の良い言葉として認知されていると覚えておくといいでしょう。