過去の時点を指す言葉として「先日」と「昨日」があります。
どちらも日常で使う言葉ですが具体的にはどのように違うのでしょうか。
今回は、「先日」と「昨日」の違いについて解説します。
「先日」とは?
「先日」とは、「今日から見て少し前の過去」を意味する言葉です。
一般的に「先日」という言葉は過去のある時点をあいまいに表現するときに用いられます。
「はっきりとした日付や時刻は特定しないが確実に今日より過去である時点」を指すのが「先日」です。
どのくらい前を指すのかは人によって解釈が異なります。
2~3日前も10日前も同じく「先日」と表現されますが数カ月前のことを「先日」と表現することはほとんどありません。
1カ月前になると「先月」という別の表現があることから慣例としては「1カ月以内の過去」に対して「先日」という表現が使われることが多く、漠然とした基準として「感覚的に遠く離れていない過去」に対して用いられる表現です。
話し手と聞き手の間に共通の認識がある場合は1カ月以上前を指して「先日」と表現することもあります。
例えば半年前に一緒に仕事をした相手に対して「先日はお世話になりました」というあいさつを使うのはビジネスマナーとして間違いではありません。
この場合の「先日」は「少し前の過去」という意味ではなく「共通して認識している出来事があった過去の時点」という意味で使われています。
「先日」の使い方
・『先日から頭痛が続いている』
・『先日頼まれた書類が完成しました』
・『先日購入した商品に不具合が発生した』
・『つい先日購入したばかりなのに同じものを買ってしまった』
「昨日」とは?
「昨日」とは、「今日から見て一日前の日」を意味する言葉です。
今日が10日であれば9日、今日が15日であれば14日のように「今日を基準にしたときに一日前にあたる日」を「昨日」と表現します。
「昨日」を区切るのは日付なので日付が変わる午後12時を過ぎた時点で「昨日」と「今日」が切り替わります。
「昨日」が指すのは一日前のみでありそれ以上前の日付に対しては用いられません。
比喩的な表現として「つい最近」という意味で「昨日」という言葉を使う用法もあります。
「昨日」の使い方
・『昨日買ったケーキを食べる』
・『昨日着た服を洗濯する』
・『部屋を片付けたのは昨日なのにもう散らかってしまっている』
・『小学校の頃の出来事を昨日の事のように思い出す』
「先日」と「昨日」の違い
「先日」と「昨日」はどちらも今日から見た過去の時点を指す言葉ですが「先日」が数日以上前を指すのに対し「昨日」は一日前のみを指すという違いがあります。
明確な決まりはありませんが一般的な共通認識として「先日」に「昨日」は含まれないとされています。
一日前には「昨日」という限定的な表現があることから「先日」は直近でもそれより前、つまり二日以上前の時点を表すときに使われます。
一日前の出来事を「先日」と表現すると誤解を招く恐れがあるので注意が必要です。
まとめ
「先日」と「昨日」は日常生活やビジネスシーンなどでも当たり前に使われているありふれた言葉ですが、正しい意味を知っておかないとスケジュールや約束で混乱が生じます。
言葉そのものにあいまいな意味合いが含まれているので確実に話を通したい場合は具体的な日付を使うと確実です。