「蘇る」と「甦る」の違いとは?分かりやすく解釈

「蘇る」と「甦る」の違い言葉・カタカナ語・言語

人や生物、物事が復活する様を表す言葉には色々なものがあり、特に「蘇る」「甦る」は同じ発音するものとして知られています。

この記事では、「蘇る」「甦る」の違いを分かりやすく説明していきます。

「蘇る」とは?

「蘇る」とは?

「蘇る」とは人や生物などが復活をしたり生き返ることを表す言葉です。

「蘇る」際にはその人や生物が完全に死んでしまった場合と、ギリギリ生死の境をさまよっている場合の両方があります。

完全に死んでしまった人や生物を蘇らせるのは至難の業とされていますが、古い時代には魔術的な儀式によって死者を蘇らせることが可能と信じられており、様々な神話や伝承で「蘇る」聖人や英雄が描かれています。

「蘇生」という言葉は現代でも色々な場面で使う言葉であり、これは医療現場や治療の場所で行われる「心肺蘇生法」などが有名です。

現代の医療技術の発展は凄まじいものがあり、生死の境をさまよっていた病人を治療によって「蘇生」させることが可能になりました。

「甦る」とは?

「甦る」とは?

「甦る」も人や生物などが復活をしたり生き返ることを表す言葉ですが、生物以外の物事や文化、流行などが復活する際にも使うことが可能です。

このような物事や出来事は一度衰退をしたり没落をした状態であり、ここから復活することを「甦る」と表します。

「甦る」という漢字は更生という熟語から作られた説があり、これによって物事や文化が再び立ち直るという意味や盛り上がるという意味を持ちます。

人や生物が復活する際には特定の儀式や医療行為が必要となりますが、文化や流行などが復活する際には様々な努力や社会の運動が必要になります。

文化や流行が「甦る」ためには単純な治療者だけが必要というわけではなく、様々な人や集団の参与が必要となるのが特徴です。

「蘇る」と「甦る」の違い

「蘇る」と「甦る」の違い

「蘇る」「甦る」はどちらも人や生物などの肉体的損傷や死などからの復活を表す時に使うことが可能です。

「蘇る」「蘇生」という言葉から医療行為として使われることが多く、主に身体的な損傷や死亡からの回復を表す時に使います。

「甦る」は身体的な復活以外にも文化や流行の復活に対しても使うことが可能です。

「蘇る」の例文

「蘇る」の例文

・『ほとんど意識がなかったのに治療によって蘇るとは驚きです』
・『彼が蘇るためには色々な治療や資金が必要だったので、両親は必死に駆け回った』

「甦る」の例文

「甦る」の例文

・『バブル時代のような文化が甦るようなお店であり、とても興奮しました』
・『古い映画館がリニューアルされ甦ることで、その商店街は少しずつ観光客が増えていった』

まとめ

まとめ

昔の時代だと死は絶対なものであり、医療が未発達なこともあり「蘇る」ことは奇跡に近いものと考えられていました。

現代では医療行為によって「蘇る」可能性も高くなり、社会政策やプロジェクトによって文化や流行が「甦る」可能性も高くなりました。

死の淵を彷徨う人や衰退した文化などは様々な人の尽力によって「蘇る」ことや「甦る」ことが可能になっています。