同音異義語でありながら行為が非常に似ているものがあります。
今回はそんな言葉を2つご紹介したいと思います。
この記事では「読む」と「詠む」の違いを分かりやすく説明していきます。
「読む」とは
これは『文字で書かれている文や文章、図表などを一字づつ声にだしたり理解すること』を表す言葉です。
日常生活で頻繁に使う言葉の一つでもあります。
ポイントは『声に出したり理解する』です。
例えば『本を読む』という行為がありますが、これは文字通り書かれている文章を頭の中や実際に声に出して理解することです。
グラフや図形なども同じで、表している数字や形が一体なにを意味づけているのかを理解するという高度な知的行為になります。
他の動物と人間を圧倒的に隔てているのはこの『読む』という分野であるとも言えるのではないでしょうか。
「詠む」とは
これは『和歌や俳句、詩などを作ること』のことを意味します。
『詠(えい)ずる』ともいうことができます。
意味が表す通り、どちらかというと芸術作品に対して使われることの多い言葉でもあります。
例えば『俳句を一句詠む』ということは俳句という文学作品を作ることということになります。
実際に言葉にすることもありますが、作品を作り上げるという部分にポイントを置いている言葉です。
よくゲームやファンタジー作品などである魔法を発動させる時に呪文を『詠唱』する行為がありますが、これは『節をつけて詩歌や言葉を歌い放つこと』という意味を持っています。
「読む」と「詠む」の違い
この二つは『一般的な言葉で書かれているものを言葉にしたり理解すること』か『芸術作品を歌ったり、作ること』かという違いではっきりと分けることができます。
なれないと違いを付けるのが難しいですが、漢字に注目をすると理解が深まります。
『読む』という字は部首の『言』に音符が『売』(いく)になっています。
これは言葉を続けるという意味を持っています。
つまり、文字を続けることで意味を理解する、させるという意味があります。
もう一方の『詠む』ですが、これは部首は同じで、音符の『永』はいつまでも長く続くという意味を持っており、イメージは口から声を長く引いて歌うという映像を浮かべると分かりやすいです。
「読む」の例文
・『声に出して教科書を読むことで理解が圧倒的に早くなる』
・『子供たちに絵本を読み聞かせてあげる』
・『入社式で社長が新入社員に対して祝辞を読んだ』
「詠む」の例文
・『佐川さんは短歌を詠むことを趣味としている』
・『古来より桜の木はよく歌に詠まれてきた』
・『これはこの土地のことを詠んだ世界的に有名な詩である』
まとめ
如何でしたでしょうか。
同音異義語というだけでなく、意味も若干似ているのが今回の『読む』と『詠む』でした。
一般的に使う『詠む』と違い、『詠む』はどこかおしゃれなイメージがあるのではないでしょうか。
『詠む』は限定的な使われ方しかされませんが、是非、詩や歌などを作り使う機会を増やしてみるのも面白いかもしれません。