この記事では、「養生」と「静養」の違いを分かりやすく説明していきます。
「養生」とは?
「養生」には4つの意味があります。
1つめは、生活に気をつけて、より一層健康になるようにすることです。
今は特別体の不調はないけれど、今よりももっと健康になるように気を付けるといった意味です。
たとえば、タバコを少し吸っているけれど、今は大きな病気をしていないし、呼吸をすることが苦しくなることもなかったとします。
特別問題はないけれど、今よりももう少し健康になるためにタバコの吸い過ぎは控えるといったことが、この言葉が指す事柄です。
2つめは、病気の回復のために休んだりすることです。
体を横にして休める、健康を意識した食事にするなどをいいます。
たとえば、食べ過ぎて胃の調子が悪いときには、おかゆのような消化によいものを食べて胃の調子を回復させるといったことです。
食事によるものは「食養生」ともいいます。
3つめは、打ち込んだコンクリートやモルタルが十分に固まるように、低温や乾燥などから守る作業です。
4つめは、家具を運んだり、壁などを塗装したりする際に、運搬物や塗装面周辺が汚れたり傷ついたりしないように、布や板などで保護することです。
たとえば、窓枠をペンキで塗るときに、窓枠の外側の壁にペンキがつかないように壁にシートを張るといったことです。
「養生」の使い方
病気から回復するように休むという意味で使用することが多いです。
眠って休むことだけでなく、食事に気をつける、お風呂に入って体を温めるなど、さまざまな行為が含まれます。
「静養」とは?
病気や疲れなどから回復するために、静かに体を休めることです。
病気からの回復というよりも、健康を保つために休めるといった意味合いが強いです。
皇族の方が御用邸で「静養」されているということがテレビなどで伝えられることがあります。
これは、病気だから御用邸に行って体を休めているということではありません。
「静養」されている姿が映しだされますが、その姿を見て病気だと感じることはないです。
にこやかにされており、元気そうに見えます。
つまり、この言葉は病気から回復するためにという意味よりも、健康を維持するためにという意味が強いのです。
「静養」の使い方
疲れなどから回復をしたり、健康を保つために休むことという意味で使用をします。
「養生」と「静養」の違い
体を休めるという意味が似ていますが、やや意味合いが異なります。
「養生」は病気から回復するためにという意味合いが強く、「静養」は健康を保つためにという意味合いが強くあります。
「養生」の例文
・『冬の養生』
・『養生をして元気になった』
・『養生するようにと注意された』
「静養」の例文
・『熱海で静養をしている』
・『自宅で静養をする』
・『しばらく静養することになった』
まとめ
体を休めるという意味が似ていますが、一方は病気から回復するために、もう一方は健康を保つためにという意味合いがある点が異なります。