「駐在所」と「派出所」の違いとは?分かりやすく解釈

「駐在所」と「派出所」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「駐在所」「派出所」の違いを分かりやすく説明していきます。

「駐在所」とは?

「駐在所」とは?

「駐在所」とは、「ちゅうざいしょ」と読みます。

「駐在所」は、警察や消防などの施設のひとつて、主に過疎地方や山間部、離島などの狭い範囲に存在し、地域の住民の安全を守る施設です。

一般的に「駐在所」には一名の警察官が駐在し、家族と一緒に居住して域の安全を守ります。

後述する「派出所」に勤務する警察官は「お巡りさん」と呼ばれる事が多いのに対し、「駐在所」に勤務する警察官は「駐在さん」と呼ばれます。

「駐在所」に勤務する警察官は基本的に1人であるため、有事が発生した場合には本署などからの応援が到着するまで、全て一人で対処しなければならず、最低でも巡査部長以上の経験が豊富な警察官が配置されます。

家族とともに居住するという点で、家業のような扱いをされる場合もありますが、れっきとした地方公務員であり、家族に駐在所の業務をパートなどとして雇用し行わせる事は原則として禁止されています。

現在ではほとんどの場合、家族を元の居住地に残したまま、警察官が単身で勤務する事が多くなってきています。

近年では、治安対策として地方部以外の都市部でも「駐在所」を設ける例も増えてきています。

「派出所」とは?

「派出所」とは?

「派出所」「はしゅつじょ」と読みます。

「派出所」は平成6年度に行われた警察法における交番の改正前の正式名称で、現在では警察法が改正され「交番」が正式名称となっています。

「派出所」は、複数の警察官が交代制で24時間勤務し、地域の安全と安心を守っています。

24時間交代制での勤務のため、昼夜問わず迅速な対応が可能で、緊急な事件や事故が起こった場合に速やかに現場へ向かう事ができます。

さらに複数の警察官が同時に勤務しているため、同時に多数の事件が起こった場合にも問題なく対応する事が可能で、本署に近い事から応援をすぐに呼ぶことができるという利点があります。

「派出所」はこのように複数の警察官が交代制で勤務するため、「顔なじみのお巡りさん」という事が起こりにくく親しみにくいと感じる人もいるようです。

「駐在所」と「派出所」の違い

「駐在所」と「派出所」の違い

「駐在所」「派出所」の大きな違いは、勤務体制にあります。

「駐在所」は基本的に1名の警察官が駐在し、1人で事件の対応や処理します。

このため夜間や休日などには急な対応が出来ない場合があります。

「派出所」は、基本的に数人の警察官が24時間交代制で勤務するため、昼夜問わず事件や事故の対応が可能です。

「駐在所」はその性質から居住ができる施設の場合が多く、勤務する警察官は家族を元の居住地に残して単身で勤務する例が多くなっています。

基本的に一人で勤務するので、地域住民と顔なじみになりやすく、地域と密接した業務が行えます。

その反面、大きな事件や事故が起こった場合に応援が到着するまでは1人で対応する事が求められるため、複数人で対応したり応援がすぐに呼べる「派出所」とは大きな違いがあります。

まとめ

まとめ

「駐在所」「派出所」は、その勤務体制や施設が存在する場所に大きな違いがあります。

都市部などでは「派出所」を設置し、大きな事件や複数の事件に同時に対応できるようにするため、複数人の警察官が同時に勤務して対応に当たります。

「駐在所」では主に山間部や離島などの狭い範囲を、一人の警察官が「駐在所」に住み込む形で勤務し、地域に密着した形で業務をする事になります。

どちらの形であれ、警察官は地域の安心と安全を守ってくれているのです。