この記事では、「通して」と「通じて」の違いを分かりやすく説明していきます。
小さな語句の違いをマスターしていきましょう。
「通して」とは?
通して(とおして)とは「~から」のこと。
対象となっている人や物、団体から何かを受け取ることです。
「学校を通して、手紙を受け取った」のように使います。
また「今回の災害を通して」のように、ある実体験をもとにして、得がたい経験をつんだ場合にも用いられています。
体験談や感想文などでも、よく使われている語です。
「通して」には「すべての期間」という意味もあるので「ワンシーズンを通して、野球の練習に励んだ」という使い方もします。
第三者から何かをもらうとき、また特定の期間をあらわすのが「通して」です。
「通じて」とは?
通じて(つうじて)とは「~を利用して」のこと。
自分ではない別のものを使って、情報を得たり発信したりすることです。
「スマホを通じて、ニュースを知った」や「ネットを通じて、世界に呼びかけた」などと使います。
加えて「通じて」には「おおまかに言うと」という意味もあります。
もともと「通じて」というのは「通ずる」という言葉が変化したものです。
通ずるには「全体にわたって」という訳もあります。
そのため「1年を通じて、氷の大地で覆われている」や「年間通じて、温暖な気候だ」という使い方もします。
何かを媒体にして何かを受け取ること、またはその期間すべてを指すのが「通じて」です。
「通して」と「通じて」の違い
どちらも濁点があるか、ないかの差になります。
「通して」と「通じて」の違いを、分かりやすく解説します。
・話し言葉は「通して」
「通して」と「通じて」はいずれも、第三者から情報や物を受け取ることです。
直接ではなく間接的に、自分の手元にやって来ることをあらわします。
そして「シーズン通して」や「1年通じて」のように、まとまった期間すべてを指すこともあります。
区別するのが難しい用語のひとつですが「通して」と「通じて」を見比べたとき、よりカジュアルな表現は「通して」です。
「通じて」は少し硬い言い回しのため、おもに文書やメールで用いられています。
そのためよりラフな表現が「通して」フォーマルな語句が「通じて」になります。
また「通して」はドラマや漫画などを全作すべて見るときにも用いられています。
そのため「人気ドラマの全編を通して見ました」とはいいますが「人気ドラマの全編を通じて見ました」とはいいません。
「通して」には「漏らすことなく、まんべんなく」というパーフェクトに近い訳があります。
「通じて」と少しだけ意味合いが異なっているので、気を付けておきましょう。
まとめ
「通して」と「通じて」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらもある商品や機関から、情報や物を受け取ること。
誰かに何かしてもらう様子をあらわしています。
またいずれも「その期間」という時間をあらわす意味もあります。
「通して」には「くまなく」という「細かい部分まで読み込む」という訳もあります。
微妙な差をおさえておきましょう。