読みが同じで表記ミスの多い言葉として「捕捉」と「補足」があります。
混同しやすいこのふたつの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「捕捉」と「補足」の違いについて解説します。
「捕捉」とは?
「捕捉」とは、「捕まえたり捉えたりすること」を意味する言葉です。
追いかけている対象物の居所を発見したり身柄を探り当てたりなど「相手の所在を確認して逃がさないこと」を「捕捉」と表現します。
一般的には直接相手を拘束することではなく場所を確認していつでも追跡できる状態にするような「見失うことなくしっかりと後を終える状況に持ち込むこと」が「捕捉」です。
目で見たり耳で聞いたりなど互換を働かせて相手の居所を確認するのが「捕捉」ですがレーダーで探知したりセンサーで痕跡を探り当てたりなど機械や装置を用いて相手の所在を把握する場合も「捕捉」という表現が用いられますが人に聞いた情報だけなどあいまいな部分があるときには用いない言葉です。
「捕捉」するだけでは相手を完全に拘束していないので逃げられる可能性があります。
相手の身柄を抑えるには「捕捉」後に接触し逮捕したり身柄を拘束したりなど自由を奪う必要があります。
「捕捉」の使い方
・『ターゲットを捕捉する』
・『救難信号の発信元を捕捉した』
・『レーダーを使えば10キロ先の敵も捕捉可能だ』
・『敵に捕捉されたので振りきって逃げる』
「補足」とは?
「補足」とは、「足りない部分を補うこと」を意味する言葉です。
説明が不十分だったり内容が欠けていたりなど「最初に提供されたものが十分ではないときに追加したり上乗せしたりして補うこと」を「補足」と表現します。
一般的には文章に対して用いられることが多く、発表された文章内での説明が不十分だった場合に添え書きとして最後にたされるぶんのことを「補足」と呼びます。
「補足」は元々の形とは別に補うために付け足させるものを指すので大元に手を加える「加筆」や「改善」とは意味が異なります。
必ずしも間違っていたり劣っていたりするわけではなく不十分なことを意味する言葉なので「修正」や「訂正」とも異なるニュアンスです。
説明がわかりにくいときに後から具体例を追加するような不十分さを補う行為が「補足」です。
「補足」の使い方
・『論文に補足を付け加える』
・『補足説明のおかげで理解できた』
・『後から補足されても手遅れだ』
・『補足を前提に文章を書くべきではない』
「捕捉」と「補足」の違い
「捕捉」が対象を捕まえることを意味するのに対し「補足」は足りないものを補うことを意味するまったく別の言葉です。
読みが同じデジも似ていることから混同されやすい表現ですが言葉の意味に似ているところはありません。
文章のどの部分が足りないのかを調べその箇所をはっきりと見つけ出すのが「捕捉」、足りない部分を補うために文章を付け足すのが「補足」という違いで区別されます。
まとめ
「捕捉」と「補足」を間違えると意味が混ったく通じないおかしな文章になってしまいます。
とても変換ミスの多い言葉なので文章を書き上げたら変換に間違いはないか必ず確認しましょう。