この記事では、「方針」と「戦略」の違いを分かりやすく説明していきます。
「方針」とは?
「方針」とはどういった事をして将来的にどういった状態を目指すのかという、大まかな方向性を指す言葉です。
個人の行動についても使われることもありますが、特に会社の経営であったり、政府のような政治を取り仕切る組織であったりと言った、集団で一体となって動くためのものとして定められます。
将来的な大目標をまずは立てて、それにどういった手段やアプローチで近付いていくかを決め、具体的な方法を決めるための下地となるものが「方針」です。
どう進むべきかの方向性が定まっていないと計画を立てることは難しく、目の前の物事しか見えずに行動が行き当りばったりになってしまいます。
集団単位でそういったその場しのぎの行動を続けていると、いつしか運営が破綻してしまう可能性が高いので、漠然とでも「方針」を決めることが必要になります。
「戦略」とは?
「戦略」とは大きな目標を実現するために、どのように事を進めていくかという、長期的かつ大局的に見た計画です。
最終的な目標を達成するために、前提としてどのようなことを成し遂げる必要があるか、使うことができる資金や労力と言ったリソースを何に使い、逆に何を諦めるべきかというような、組織全体がどう動くべきかという行動や方法が「戦略」になります。
「方針」で決められた大目標に到達するための道筋を定め、中目標を設定していくことが「戦略」とも言えるでしょう。
会社の平社員やお店の従業員と言った実際に行動する人達は、組織のトップや幹部が定めたこの「戦略」に従い、その中目標を実現するために、行動することになります。
「方針」と「戦略」の違い
「方針」と「戦略」の違いを、分かりやすく解説します。
組織としての大目標を定めて計画を立てるための大まかな方向性が「方針」で、組織がどうやって大目標を実現するのかを長期的である程度具体的に計画立てたものが「戦略」です。
「方針」は組織として最初に立てたり、最初に「方針」となる目標があるから組織が結成されるものなので、組織としては基本的には最初に定められます。
「戦略」はそうして「方針」が定められた後に、具体的にその「方針」で進めるにはどうすればいいかと考えて決めるものです。
「方針」を決める際には最終的な目標と、その目標に至るまでの大まかな道筋だけを定めますが、「戦略」を固める場合には、どうすればその最終目標を実現する道を作れるかという中間目標まで定める必要があります。
まとめ
「方針」と「戦略」は密接な関係にあり、同じようなものに思えるかも知れませんが、実際は大きく違います。
例え話的に言えば「方針」は目的地とそこへと進むためのコンパスであり、「戦略」は目的地に行くための予定や計画という関係です。
経営の「戦略」を立てる時に「方針」を決めることもありますが、どのタイミングで「方針」を決めるにしても、「方針」が定まらなければ具体的な「戦略」も立てられないという関係にあることは覚えておく必要があります。