この記事では、「実情」と「実状」の違いを分かりやすく説明していきます。
「実情」とは?
実情とは、じつじょうという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば理解可能な事ですが、そらごとではないとか中身等の意味の実の文字に、物事のじっさいの有様やなさけといった意味がある情の文字を組み合わせる事で完成した言葉となっています。
そのため実情は、物事の実際の事情や偽りのない心情といった意味を表すのです。
「実情」の使い方
実情は、実際の事情や情況といった意味を表現したい時に使われる事が多い言葉となっています。
より詳しく説明すると、外側から見た時には分からない内部の本当の情況を示す際にこの言葉が使用されたりするのです。
他にも実情は、真心といった意味合いを表現したい時にも使われる事があります。
「実状」とは?
実状とは、じつじょうという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば一目瞭然な事でしょうが、本当や本当の事柄といった意味を持つ実の漢字に、物事の様子や物の形といった意味を所有する状の漢字を付け加える事で誕生した言葉となっています。
だからこそ実状は、物事の実際の状況を示すのです。
「実状」の使い方
実状は、何らかの物事における実際の状況という意味を表す際に、用いられる言葉となっています。
より具体的には外面的な状況を表現したい時に、この実状という言葉が使用されていたりするのです。
例えば作業等が進んでいない、という様子を視覚的に確認した時には、この実状という言葉を使って報告したりします。
というのも状の漢字は、物の形といった意味を持つ事から正しく外面的な状況に対してこの言葉が使われる事になるのです。
「実情」と「実状」の違い
実情と実状の文字表記を見比べれば、直ぐに2文字目に情と状という明らかな違いがある事に気付く事が出来ます。
ですが最初が同じ実の文字であり、更に共に、じつじょうという同じ読み方をする上に、持つ意味合いもほぼ同じなのでかなりややこしい組み合わせの言葉同士です。
ただし実情は、物事の本当の事情や情況といった意味を持ち、情の文字から外には出ない内側にスポットを当てた言葉となっています。
一方の実状は、物事の本当の状況といった意味を持ち、物事の外面の状況を示す際に用いるべき言葉です。
「実情」の例文
・『政治家の演説は実情にそぐわない綺麗事を並べる事が多いので、あてになりません』
・『調査により我が社の実情が明らかとなりました』
「実状」の例文
・『本社に被害の実状を報告した所です』
・『私は地震による被災地の実状を知るために、派遣されました』
まとめ
2つの言葉は最初に同じ実の漢字が使用され、読み方も同じ、じつじょうです。
しかも持つ意味合いも似通っていますが、情と状という文字の違いがある事でニュアンスに違いはあります。
まず実情は、実際の事情や情況という意味を有しており、外には出ない様な実際の事情や情況を表す言葉です。
対する実状は、実際の状況といった意味を持っており、外見的な状況を示す言葉となっています。