この記事では、「幽閉」と「監禁」の違いを分かりやすく説明していきます。
閉じ込める意味の語を、正しく区別していきましょう。
「幽閉」とは?
幽閉(ゆうへい)とは、ある空間にその人を閉じ込めること。
おもに時代劇で使われる、古めかしい表現です。
暗くて寒い地下室や牢屋に、君主にそむいた人を収監する動作をあらわしています。
脱出したくてもできない場所に身をおくって、自由なやり取りを制限したのが幽閉です。
ちなみに幽閉の「幽」には「暗い・深い」という意味があります。
そして「あの世」という背中がゾクッとする訳もあります。
幽閉はクーデターを企てて失敗した人が、島流しの刑として与えられる厳しい処罰のこと。
君主の面目が丸つぶれになることから、あえて「あの世行き」という意味の幽閉という語が用いられたという説もあります。
時代を感じる表現が、幽閉です。
「監禁」とは?
監禁(かんきん)とは、ある場所にその人を閉じ込めること。
南京錠などを使って、自宅やマンションの一室に押し込めることです。
自分勝手な言い分でその人の自由を奪ってしまう卑劣なやり方なので、日本では「逮捕・監禁罪」として規定されています。
ちなみに監禁罪で警察に逮捕されると、3か月以上7年以下の懲役刑がかせられます。
また監禁したことが原因で被害者が亡くなった場合は、さらに重たい刑が下されることもあります。
ちなみに「監禁」の「監」には「見張りする・自由を制限する」という意味があります。
自分のコントロール下において、その人の生きる自由を奪うのが監禁です。
どのような理由があっても絶対に許されない、非道なやり方です。
「幽閉」と「監禁」の違い
どちらも「閉じ込める」という意味があります。
「幽閉」と「監禁」の違いを、分かりやすく解説します。
・歴史で登場するのは「幽閉」
「幽閉」と「監禁」は、どちらも「ある特定の場所に、対象の人を閉じ込めておく」という訳があります。
ただ幽閉には「地下牢などの一室に、閉じ込める」という訳があります。
監禁は広さや部屋数の制限なく用いられる言葉。
そのため狭い所に連れていき、そこで生活させるのが幽閉。
狭いか広いかは関係なく、そのエリアで生活させるのが監禁です。
また幽閉は「後白河法皇の幽閉」など、おもに歴史上の事件を語るときに使われています。
そのため現在の日本では、幽閉ではなく監禁が用いられています。
まとめると幽閉は、謀反やクーデターをおこした人物に対して与えられる刑のこと。
監禁は犯罪者が被害者を、自宅に連れ込むことです。
似ている用語に思えますが、使われるシチュエーションが異なるため気を付けておきましょう。
まとめ
「幽閉」と「監禁」の違いを分かりやすくお伝えしました。
幽閉とは政権に対して裏切り行為をした人物を、牢屋などに閉じ込めておく行為のこと。
歴史を語るときに使われています。
そして監禁とは、犯罪者が被害者を自宅などに拉致すること。
自由をうばって、生きる権利を与えないことです。
正しく覚えておきましょう。