この記事では、「憂慮」と「考慮」の違いを分かりやすく説明していきます。
「憂慮」とは?
危機感を持ち心配すること、思いわずらうこと、不安な考えをすることなどという意味で、「日本経済の今後を憂慮する」、「渋滞を憂慮する」などの使い方をし、確定していないものの、不安である、悪い方向に向かうであろう言葉に対して考えることが多く、過去のことに対して憂慮するということはあまりありません。
ストーリーの中で中世の王様が憂慮するという場合も先のことを憂いているということになります。
憂慮すべき事態などという使い方もあります。
深い憂慮、ひどく憂慮しているなどという言葉で強調することも可能です。
憂慮していたことが無くなる場合、憂慮していたことが好転した、杞憂に終わったなどの言葉が使えます。
憂慮は楽観視と比べると対策の概念があり、自然災害など一定の憂慮をしておかないと危険という見方もできます。
「考慮」とは?
物事の様々な要素を考え合わせること、考えをめぐらすことと言った意味の言葉で、「コロナウイルスワクチン接種を考慮する人」という言葉では単にワクチン接種をすることを考えているということに加え、副反応についても考えているという含みがあります。
「人権問題を考慮」して生産地を変更というケースも有り、この系統の考慮はかなり重大な問題であることがあります。
あらゆるユーザーを考慮したサイトデザインという言葉ではいろいろな環境、身体的条件でも問題なく使えるサイトということになり、幅広い考えが含まれていると言えます。
「考えて」という言葉の代替として使われるケースもありますが、「考えて」という言葉よりも様々な要素が組み合わされているという意図がある場合もあります。
深い考慮という強調も出来ますが、熟慮という言葉がより深い考慮と言った意味合いでよく使われています。
「憂慮」と「考慮」の違い
「憂慮」と「考慮」の違いを、分かりやすく解説します。
憂慮と考慮は考えを巡らせるということで共通しているとも言えますが、憂慮は危機感を持ち心配することという方向になっており、ネガティブな方向、対策を行うべき方向に関して憂慮するものとなっており、まだ状態が完結していないものについて多く使われます。
考慮は考えるという意味合いでも使われ、開催地の時間的な問題も考慮してスケジュールを組むなどの使い方ができ、「大雪を考慮した構造の屋根」などではその考慮は一旦完結していると考えることも出来ます。
ただしこの場合の大雪は今後どうなるかまではわからない部分でもあります。
まとめ
危機感を持ち心配することという意味が憂慮で、憂慮は先のことを考えることが基本となっています。
考慮は考えを巡らせると言った意味で、考慮した設計など、すでに完成したものに対しても使うことができます。
心配しつつ考慮するなどという使い方で考慮は憂慮の代替ができなくはありませんが、その逆はできません。