この記事では、「熟慮」と「考慮」の違いを分かりやすく説明していきます。
「熟慮」とは?
十分によくよく考えること、いろいろなことを考えて細かなことを意識して検討をすることです。
一度だけちょっと考えることではなく、十分に念を入れて考えることを意味します。
サッカー選手のことで説明をします。
この選手は現在45歳です。
プロサッカー選手が引退する年齢は平均で26歳なので、45歳までプレーをするのは体力的につらくなってくるでしょう。
そのため、この選手は引退を考え始めています。
次のシーズンがもうすぐやってきます。
そのとき、自分はまだプレーができるだろうか、そろそろ引退をした方がよいだろうかなど、いろいろと考えました。
体力的なことを考えるともうそろそろ引退した方がよい気がする、しかしまだまだプレーをしたいし、まだなんとかやっていけそうな気がする。
そんなふうに、いろいろなことを考えに含めて、非常に深く検討をしました。
このさまを意味する言葉です。
ちょっとだけ考えているのではなく、深く十分に考えています。
「熟慮」の使い方
十分に深く考えることという意味で使用をします。
わずかにだけ考えることには使用しません。
「考慮」とは?
ある事柄を考えるときに、複数の事柄を含めてよく考えることです。
ちょっとだけ考えることではなく、また一つの面だけを見て考えることでもありません。
よく考えることで、いろいろな要素を含めて考えることです。
子どもの進学のことで説明をします。
子どもが美術関係の大学に進みたいといいます。
親が費用を出すので、親の許可が必要です。
そのため、子どもは親に相談をしました。
このことに対して親はすぐに答えを出すことができず、いろいろと考えました。
大学に通うための費用を出せるだろうか、美術関係の大学に行って子どもの将来は大丈夫だろうか、あの子にあっているだろうかなど、いろいろな要素を含めて考えました。
話しを聞いて何も考えずに「だめ」「受検してよい」など答えを出しているのではありません。
こういった、いろいろな事柄を含めて考えることを意味する言葉です。
「考慮」の使い方
一つの事柄について、いろいろな要素を含めてよく考えるという意味で使用をします。
ある一面だけしか見なかったり、深く考えなかったりすることには使用しません。
「熟慮」と「考慮」の違い
考えるという意味合いが似ていますが、ニュアンスが異なります。
「熟慮」はよくよく考えることで、「考慮」は複数のことを含めて考えることです。
「熟慮」の例文
・『熟慮の末の決断』
・『熟慮する時間が必要』
・『これまでのデータを踏まえて熟慮する』
「考慮」の例文
・『欠席者が出ることを考慮に入れる』
・『環境への影響を考慮する』
・『彼のこれまでの成績を考慮する』
まとめ
考えるという意味が似ている2つの言葉ですが、一方は十分に考えること、もう一方は複数のことを含めて考えることで、意味合いが異なります。