「預金準備率」と「支払準備率」の違いとは?分かりやすく解釈

「預金準備率」と「支払準備率」の違い金融・経済

この記事では、「預金準備率」「支払準備率」の違いを分かりやすく説明していきます。

「預金準備率」とは?

「預金準備率」とは?

「預金準備率(よきんじゅんびりつ)」とは、「銀行などの金融機関が保有している預金残高に対して、中央銀行に準備預金として預金(無利子)している金額の比率」を意味している金融用語です。

「預金準備率」「預金者を保護するための預金準備制度に依拠した金融の概念」で、銀行はこの比率を遵守しなければならない法的義務があります。

「預金準備率」は金融機関と預金の種類や金額などによって、「0. 05~2. 00%」のレンジで設定するように決められています。

「支払準備率」とは?

「支払準備率」とは?

「支払準備率(しはらいじゅんびりつ)」とは、「金融機関が顧客から預かった預金残高に対して、中央銀行に無利子で預けている支払準備金の比率」を指し示している金融用語です。

「支払準備率」は、「預金準備制度」に基づく比率になります。

1957年に導入された「預金準備制度」というのは、「預貯金を下ろしたいという預金者の支払い要求にいつでも応えられることを示すために、一定の割合で支払準備金を用意していなければならない制度」です。

中央銀行は「支払準備率」を操作することで、金融機関のマネーの流動性を制御して「信用創造能力」を担保しているとされています。

「預金準備率」と「支払準備率」の違い

「預金準備率」と「支払準備率」の違い

「預金準備率」「支払準備率」の違いを、分かりやすく解説します。

「預金準備率」「支払準備率」は結論からいうと、日本で1959年から設定されている「金融機関が中央銀行に預けているお金の預金総額に占める比率」という同じ意味合いを持っている言葉です。

「預金準備率」「支払準備率」も、「いざ顧客から預金を引き出したいと求められたときに、その支払能力が十分にあることを証明するための比率」を示しているのです。

「預金準備率」「支払準備率」は、「中央銀行の信用創造・流動性調整の機能」を支えている「準備預金制度において銀行の支払能力を担保するための概念」を指している言葉として理解することができます。

「預金準備率」の例文

「預金準備率」の例文

・『預金準備率を高く設定するほど、現金の流動性や貸出しが減って銀行経営は苦しい状態になりがちです』
・『現在の日本銀行が預金準備率をコントロールして景気を調整できるというのは現実的な政策ではなくなっています』

「支払準備率」の例文

「支払準備率」の例文

・『支払準備率に合致した現金を中央銀行に預け入れすることができない場合、法律的にはその銀行は経営破綻したと見なされる恐れがあります』
・『預金準備率というより支払準備率といったほうが、預金者に対していつでも預金を返す義務・負債を負っている銀行の立場を強調することができます』

まとめ

まとめ

この記事では、「預金準備率」「支払準備率」の違いについて説明しましたがいかがでしたか?「預金準備率」「支払準備率」は金融用語としては、「銀行が預金残高の総額に対して、顧客からの支払請求に対応できる能力を示すために持っていなければならない支払準備金の比率」という同じ意味を持っている二つの言葉です。

「預金準備率」「支払準備率」の違いをリサーチしたい人は、この記事の解説を参考にしてみてください。