「慾」と「欲」の違いとは?分かりやすく解釈

「慾」と「欲」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「慾」「欲」の違いを分かりやすく説明していきます。

「慾」とは?

「慾」とは?

「慾(よく)」とは、「何かを欲しいと思う気持ち+誰かを独占したいと思うこころ」を意味している漢字です。

「慾」という言葉・漢字は、「ある対象物を欲しがるこころ+何かをかなり強く欲する心理状態」を指し示しているのです。

「慾」は国語辞典において「欲の別字」として定義されているので、「欲の漢字」と書き換えることは可能です。

ただ「慾」の漢字は1945年以降の「常用漢字表」には採用されていないので、一般的な文章や公的文書では「慾」を用いた記載を見かけることはほとんど無くなっています。

「慾」には文字の見た目の感覚から「貪欲に求めるこころ」がイメージされやすく、「性慾・色慾・情慾・食慾」などで「慾」の漢字を当てるケースが多くなっています。

「欲」とは?

「欲」とは?

「欲」とは、「何かを欲しいと思う心理状態+誰かを欲しいと願う気持ちのあり方」を意味している言葉です。

「欲」という一般的な漢字で表す言葉は、「あるモノやある人(人のこころ)を欲する気持ち・感情」を示唆しているのです。

「欲」というのは、「何かを欲したり望んだり願ったりするこころ」そのものを意味する言葉として理解することができます。

例えば、「欲が強いのでこの程度では満足できません」「私欲のかたまりのような政治家として嫌われています」といった文章で「欲」の漢字を使えます。

「慾」と「欲」の違い

「慾」と「欲」の違い

「慾」「欲」の違いを、分かりやすく解説します。

「慾」「欲」「同音同義」であるため、この二つの漢字で表される言葉に「意味の違い」はありません。

意味の違いを強いてあげるとすれば、「慾」のほうが「欲」よりも「貪欲で欲望の強度が強いというニュアンス」があるという違いになります。

また現代では「慾」の漢字は「常用漢字表」への記載がないため、「欲」と比べると実際の文章表現での使用頻度が極めて小さくなっている点も異なります。

学校のテストや公的文書においては、「慾」ではなく「欲」の漢字が使われるという違いを指摘することができます。

「慾」の例文

「慾」の例文

・『彼女が堕落していた時期は、異常な情慾のとりこになったようなもので倫理観が欠落しているように見えました』
・『人を愛して自分だけのものにしたいという慾は、厳密に言えば自分のための執着であり愛情とは異なります』

「欲」の例文

「欲」の例文

・『欲があまりに深すぎる人はリアルの世界でさまざまなトラブルを起こしがちですが、欲が無さすぎると無気力になります』
・『お金や異性に対する欲が過ぎると、どんな有名人であってもスキャンダルに塗れてバッシングされます』

まとめ

まとめ

この記事では、「慾」「欲」の違いについて説明しましたがいかがでしたか?「慾」は常用漢字表に記載がない漢字であり、「欲」は常用漢字表に登録されていて一般的な文書における使用頻度が高いという分かりやすい違いがあります。

「慾」「欲」の違いをリサーチしたい人は、この記事の内容を参照してみてください。