土地を指す言葉として「宅地」と「更地」があります。
不動産取引でよく登場するこの言葉はそれぞれどのような意味なのでしょうか。
今回は「宅地」と「更地」の違いについて解説します。
「宅地」とは?
「宅地」とは、「建物が建てられている土地または立てられる予定の土地」を意味する言葉です。
宅地建物取引業法における定義では「建物の敷地として使われている土地」「現在は建物が建てられていないが建てる目的で取引される土地」「都市計画法の地域地区内の土地」を「宅地」と定めています。
「建物を建てるための土地」なので「住宅やビルなどの建物が現在建っている土地のほか、将来的に建物を建てることが可能な土地も「宅地」です。
全ての土地は不動産登記法という法律で利用目的が決められています。
土地の利用目的のことを「地目」といい「宅地」も23種類に区分される地目のうちのひとつです。
「宅地」は建物が建っていたり建てる予定の土地を指しますが。
全てに建物が立っているわけではありません。
将来建物を建設する予定の土地は現在何もない土地であっても「宅地」です。
「宅地」の使い方
・『宅地を購入して住宅を新築する予定だ』
・『購入予定の土地が宅地かどうか調べる』
・『あの空き地は宅地なので購入すれば家を建てることが可能だ』
・『宅地でないと知らせずに原野を売りつける悪質な商法には注意が必要だ』
「更地」とは?
「更地」とは、「建物が何も建っていない土地」を意味する言葉です。
一般的に「更地」という場合は「すぐに活用できるまっさらな状態の土地」を意味します。
似たような言葉として「空き地」がありますが「空き地」が活用されていない放置されている土地全般を指すのに対し「更地」は「将来活用することを見越してあらかじめ余計なものを取り除いている土地」を意味する言葉です。
「すぐに利用可能な土地」が「更地」ですが物理的な状態だけではなく法律や権利的な意味合いも含まれます。
何もないまっさらな土地であっても借地権がついていたり地上権を主張する者ものがいたりなといったような入手してもそのままでは使うことが難しい土地は「更地」ではありません。
「更地」の使い方
・『潰れたお店を解体して更地にする』
・『価格は安いが建物を撤去して更地にする費用を考えると割安とはいえない』
・『久しぶりに地元に帰ったら思いでの店が更地になっていた』
・『更地にしてから引き渡す条件で不動産売買が成立する』
「宅地」と「更地」の違い
「宅地」と「更地」の違いは「地目」です。
「宅地」は建物を建てるための土地を意味する言葉で不動産登記法により定められる地目のひとつです。
「更地」は土地の状態や状況が利用に差し支えないきれいな状態であることを意味する言葉でどの地目にも使えます。
「宅地」に建てられていた建物を解体した後にきれいな状態にすると「更地」になります。
学校用地や山林などそれ以外の地目の土地であってもきれいな状態なら「更地」です。
まとめ
「宅地」と「更地」は不動産取引では頻出する言葉です。
法律が関係する言葉なので誤解や誤読の内容正確な意味を知っておきましょう。