「あえて言うなら」と「しいて言うなら」は、どのような場面で用いられる言葉なのか。
この記事では、「あえて言うなら」と「しいて言うなら」の違いを分かりやすく説明していきます。
「あえて言うなら」とは?
「あえて言うなら」の「あえて」には、やりにくいことを押し切っていること、といった意味があります。
特別する必要もないことをすること、特別にすることでもないこと、といった意味もあり、そのような意味で、「あえて言うなら」という言葉が用いられます。
特別言わなくてもいいようなことを言うことが「あえて言うなら」なのです。
「あえて言うなら」の使い方
「あえて言うなら、こうしたほうが良いよ」や「あえて言うなら、そこは間違っていると思うよ」など、誰かに対し何かを指摘する際に用いられることが多い言葉です。
「しいて言うなら」とは?
「しいて言うなら」の「しいて」には、困難や抵抗、反対などを押し切ってものごとを行う、といった意味があります。
そのような意味で「しいて言うなら」も用いられ、抵抗や反対を押し切ってまで何かを言う際に「しいて言うなら」が用いられます。
「しいて言うなら」の使い方
「しいて言うなら、Aの方がしたい」や「しいて言うなら、○○は苦手」など、無理に言うなら、といった意味で「しいて言うなら」が用いられています。
「あえて言うなら」と「しいて言うなら」の違い
「あえて言うなら」には、「必要はないものの」といった意味があり、「しいて言うなら」には、「無理に」といった意味があります。
この違いが「あえて言うなら」と「しいて言うなら」の違いです。
言う必要はないものの、伝えたほうが良いと思われることや聞かれたため、答えておくといった場合には「あえて言うなら」が適しており、無理矢理にでも言っておきたいという場合には、「しいて言うなら」が適した言葉となります。
「あえて言うなら」の例文
・『あえて言うなら、今君が言ったことは社会的に少しずれていると思う』
・『間違っている点をあえて言わせて頂きます』
・『ここは、あなたのことを思って、あえて言わせて頂きます』
・『あえて言うなら、A案よりもB案の方が適していると思います』
「しいて言うなら」の例文
・『野菜全般、苦手ではありませんが、しいて言うなら、春菊は苦手です』
・『どちらのプレゼントも彼女にとって最適だと思うが、しいて言うなら、お花の方が喜んでもらえると思う』
・『和洋中、どの料理も大好きですが、しいて言うなら、中華が好きです』
・『動物が好きな私ですが、しいて言うなら、は虫類は少し苦手です』
まとめ
よく用いられる2つの言葉には、以上のような違いがあります。
このような違いを考慮したうえで、どちらが適しているのかを踏まえ使い分けます。
また、この2つの言葉の場合、相手によっては失礼な言葉になる可能性もあるため注意が必要です。
ビジネスシーンや目上の人に対し用いる場合には特に注意しなければなりません。