この記事では、「保護」と「保全」の違いを分かりやすく説明していきます。
「保護」とは?
「保護」には2つの意味があります。
ひとつは、外からの危ないこと、脅かされること、壊されることなどから害を受けないように守ることです。
自分の内側からのことではなく、外側からの害を受けないように守ることを意味します。
転んで膝に切り傷ができたとします。
そのままにしていると雑菌が混入をして炎症を起こす心配があるので、絆創膏を貼るなどしておく必要があります。
絆創膏を貼ることで、外からの危険から傷口を守ることができます。
これを「傷口を保護する」といいます。
スマホの画面を傷のないきれいな状態を保ちたいなら、専用のフィルムを貼るとよいでしょう。
ストラップやカバンの中の物などにぶつかると傷がつく恐れがありますが、フィルムを貼っておけばそういったものからの傷を防げます。
このフィルムを「保護フィルム」といいます。
もう一つの意味は、救い守る必要があるとき、その場をしのぐために警察署などに留め置くことです。
悪いことをしたので留め置くことではなく、困っていて救う必要があるので留め置くことを意味します。
幼稚園生くらいの子どもが迷子になっていたとします。
そのままにしていては、小さい子の場合は道路に飛び出して交通事故にあったり、知らない人に連れていかれたりする危険があります。
また、警察署などに親が迎えに来る可能性があります。
そういったとき、迷子は警察署などでしばらくの間、預かっています。
これを「迷子を保護する」といいます。
「保護」の使い方
危険や破壊などの害を受けないように守るという意味では、傷口、森林、データなどさまざまな事柄に使用されます。
警察などに留め置く意味では、対象となるものが困っている人などで、それが一時的である場合に使用します。
「保全」とは?
外からの危険や破壊などから守って安全であるようにすることです。
外からの害から守って、生命にかかわる危険が及ぶ心配がない状態、安心できる状態を保つようにすることを意味します。
地球温暖化や森林破壊など、地球環境が危険な状態になってきています。
そういった状態が進行しないようにするための取り組みが行われています。
家庭でできることは、照明をLEDに替える、環境を守ることを考えている企業の製品を選ぶ、古い家電製品を省エネタイプに替えるなどがあります。
こうすることで、環境を危険な状態から守り、安全であるようにすることにつながります。
これを「環境保全」といいます。
「保全」の使い方
外からの害から守って、安全である状態を保つようにすることという意味で使用をします。
守るものはさまざまです。
「保護」と「保全」の違い
外からの害を受けないように守るという意味が似ていますが、「保全」には安全であるようにするという意味も含まれています。
「保護」の例文
・『森林を保護する』
「保全」の例文
・『保全活動』
まとめ
害を受けないように守るという意味が似ていますが、「保全」には安心できる状態を保つという意味が含まれており、この点が「保護」とは異なります。