この記事では、「弁明書」と「答弁書」の違いを分かりやすく説明していきます。
裁判にまつわる言葉を調べていきましょう。
「弁明書」とは?
弁明書(べんめいしょ)とは、警察に提出するための用紙のこと。
警察の取り締まりを受けたあと、事情をかみ砕いて説明するための用紙になります。
疑いをかけられているとき「こういう事情があったので、やむを得ずこのような対処をおこないました」と述べるための書式です。
これは「弁明通知書」と呼ばれています。
おもに駐車違反で切符を切られた際につかいます。
弁明通知書に記載する内容としては「仕事の配達でやむを得ず、車を停めてしまった」や「トイレに立ち寄っていて、仕方なく駐車をおこなった」などがあります。
弁明通知書を警察に提出したあと、審査がおこなわれます。
審査結果の通知はありませんが、違反金の督促状がこなければ、弁明が認められたことになります。
いざという時に備えておきましょう。
「答弁書」とは?
答弁書(とうべんしょ)とは、裁判で訴えられた被告が反論するための文書のこと。
原告の訴状を見て、それに意見するための書式になります。
答弁書には事件の番号、当事者の名前、請求の趣旨に対する意見などを記入していきます。
答弁書は裁判官が見るもの、原告が見るものと2通準備します。
このとき内容は同じものを書かなくてはいけません。
もし期日までに答弁書を提出しないと「訴状の通りでかまいません」と原告の訴えを認めたことになります。
そのため反論したい場合は、かならず訴状に目をとおして、答弁書の提出を済ませておくことが大切です。
被告の立場を守ってくれるものが、答弁書になります。
「弁明書」と「答弁書」の違い
いずれも見た目が似ているので、間違えやすいです。
「弁明書」と「答弁書」の違いを、分かりやすく解説します。
・警察は「弁明書」裁判は「答弁書」
そもそも「弁明」とは、事情を説明すること。
起こった事実に対して、補足説明をくわえることです。
警察の「弁明通知書」は駐車違反として取り締まりを受けたとき、弁明するための書式です。
そして「答弁」とは、質問に対する答えのこと。
聞かれたことに対して、こちらの意見を答えることです。
そのため裁判が開かれるとき、原告の訴状を読んで、被告側の意見を伝えるものが「答弁書」になります。
ちなみに「弁明書」はビジネスでも用いられる用語です。
会社に不正を疑われ懲戒解雇処分を受けたとき、働く人の意見を伝える書面が「弁明書」となっています。
そのため会社や警察に提出するものが「弁明書」。
裁判所に出すものが「答弁書」と区別できます。
まとめ
「弁明書」と「答弁書」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも不服申し立てをしたいときに使う文書です。
弁明通知書は違法駐車として取り締まりを受けたとき、警察に異議申し立てをおこなう用紙です。
会社に不正を疑われて、懲戒免職を受けそうなときにも「弁明書」はつかいます。
また裁判で被告になったとき、裁判所に提出するのが「答弁書」です。
よく似ていますが、違いをおさえておきましょう。