この記事では、「当方」と「此方」の違いを分かりやすく説明していきます。
「当方」とは?
「当方」とは自分の所属している集団を指す、やや固い雰囲気の言葉です。
ビジネスシーンで私達やこちらの会社と言いたい時に、ややかしこまった言葉遣いとして使われているのを目にする機会が多いでしょう。
自分という個人を指しているのではなく、自分が所属している組織を指すのが「当方」です。
実際に作業をする人間が自分だけであったり、個人事業主で他の従業員がいなくても、契約としては交渉しあった当人同士のものではなく、それぞれが所属する組織間の契約になるので、自分側の組織として「当方」が使われます。
ただし「当方」はかしこまった言葉遣いではありますが、契約書などで使われるほど丁寧な言葉という訳ではありません。
正式な場面や契約書の文章で、自分が所属する組織を指す言葉を使いたい時には、弊社などより丁寧な言葉を使うことが求められます。
「此方」とは?
「此方」とはこの言葉を使っている人の近くにあるものや、その人自身を指す言葉です。
「こちら」「こなた」「こち」「こっち」など、多くの読み方があります、持つ意味も読み方によって多少違いますが、一般的な日本語として使われている「こちら」と同じ意味を持っている点は共通しています。
「此方」という言葉は複数の読み方とそれに伴う意味があるので、指しているものが非常に多く、判断が難しい言葉です。
「こちら」という読み方をしている場合には自分の周囲の人や物、あるいは自分が所属している組織を指して使われますし、「こなた」という場合は自分を指していたり近くの人を指していることもあります。
多様な意味を内包していて、文脈から何を指しているか判断する必要がある言葉と言えるでしょう。
「当方」と「此方」の違い
「当方」と「此方」の違いを、分かりやすく解説します。
「当方」は自分が所属している集団や組織だけを指す言葉であり、「此方」は自分が所属している組織以外の意味も持つ言葉です。
「当方」は「とうほう」としか読みませんが、「此方」は「こちら」以外にも「こっち」や「こなた」など複数の読み方があり、そのせいで指すものが多くなっています。
一番多い「こちら」という読み方の「此方」でも、自分の組織だけでなく、自分のそばにある物や、隣など近くにいる人を指すこともあります。
使われる機会が比較的少ない「こっち」や「こなた」という場合には、その人が自分を指していることもあるでしょう。
「当方」はあくまでも自分の組織だけを指す言葉なので、「此方」の方が幅広い意味を持つ言葉という認識が必要です。
まとめ
「当方」は常に漢字で書かれますが、「此方」はビジネスシーンでも「こちら」とひらがなで書かれているのを見ることも多いでしょう。
メールでのやり取りの場合はどちらも自分の所属している組織を指す言葉ですが、会話で使う場合「此方」は様々な意味で使われるので、前後の文面に注意して判断する必要があります。