この記事では、「自由詩」と「散文詩」の違いを分かりやすく説明していきます。
よく似た詩を、見分けていきましょう。
「自由詩」とは?
自由詩(じゆうし)とは決まったルールのない、のびのびした詩のこと。
韻律や押韻と呼ばれるかた苦しい制限がない、自由な詩をあらわしています。
昔っぽさが消えた、より今風の表現が自由詩です。
日本で自由詩を広めたのは、口語自由詩をつくった詩人の萩原朔太郎です。
おもな代表作は『竹』や『月に吠える』があります。
いずれも一行の文字数に決まりがなく、ランダムになっています。
思いをつらつらと書き留めた日記とも異なり、ひとつのストーリー性を成しています。
かた苦しい従来の詩から、見事な脱却をしたのが自由詩です。
「散文詩」とは?
散文詩(さんぶんし)とは、小説のように書かれた詩のこと。
こちらも押韻にとらわれない、ありのままの心情をつづった詩です。
「散文」には「とりとめない文」という訳があるので、定型のない詩、心情をつらつら述べた詩を散文詩といいます。
散文詩はフランスの詩人アロイジウスが『夜のガスパール』で確立した、詩のスタイルです。
その後、宮沢賢治や萩原朔太郎、千田光などが次々に小説のような詩を出すようになりました。
まるで短編小説を読んでいるような、お得な充実感も味わえるのが散文詩です。
「自由詩」と「散文詩」の違い
いずれもテストによく出てくる、詩の形態です。
「自由詩」と「散文詩」の違いを、分かりやすく解説します。
・ポエムの自由詩、小説風な散文詩
詩は古いもの、新しいものと大きく2つに分けることができます。
古いものの例には、定型詩があります。
定型詩とは文章の長さ、韻律など、ルールが決まっている詩です。
そして近現代に出てきた新しい詩が、自由詩と散文詩です。
どちらも定型詩の難しいルールを外した、自由を楽しんでいる詩です。
定型詩のような規則性がなく、作者の思いがストレートに伝わる詩となっています。
また自由詩と散文詩ですが、自由詩がポエムを思わせるのに対して、散文詩は短編小説に似ています。
自由詩は一行が短く作られていて、散文詩に比べてぶっきらぼうに感じられます。
一方で散文詩は一行が長めに作られていて、ショートエッセイや短編小説を思わせます。
そのため散文詩では通常の詩ではあり得ない「~です」や「~ました」などの言葉も、用いられています。
また自由詩はアメリカのホイットマンという詩人が生み出したもので、散文詩はフランスの詩人アロイジウス・ベルトランが作ったスタイルです。
生まれた国による違いもあります。
まとめ
「自由詩」と「散文詩」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも定型詩とは異なる、自由でのびのびした作風の詩です。
自由詩はアメリカから生まれた詩で、押韻のない短い文体の詩です。
そして散文詩はフランスから生まれた詩で、こちらも韻律のない長めの文章の詩になっています。
詩の世界を、味わっていきましょう。