故障や不具合を表す言葉として「折損」と「破損」という表現があります。
このふたつの表現はどのような基準で使い分けられているのでしょうか。
今回は、「折損」と「破損」の違いについて解説します。
「折損」とは?
「折損」とは、「部品や躯体などが折れて壊れること」を意味する言葉です。
物品の壊れるとき、壊れ方はひとつではありません。
欠けたり曲がったり砕けたりなどいろいろな壊れ方がある中で「折れて壊れること」を指して「折損」と表現します。
物体に力が加わり変形し曲がり具合が耐久限度を超えて破断し元の状態に戻せなくなることを「折れる」といいます。
「折損」とは「折れて壊れてしまったことで機能や性能が損なわれること」をあらわす言葉で一般的にはシャフトやポールなど細長い形状をした物体に対して使われます。
棒状の物体は折れる可能性が特に高いのですが板状の物体でも折れて壊れる可能性はあり、そのような壊れ方をした場合は「折損」という表現が用いられます。
壊れ方の種類を指す言葉なので程度や状態など壊れた状況まで細かく区別されることはありません。
ヒビが入った程度の折れ方から原型を留めないほど派手に折れる壊れ方まで、折れて壊れたときはすべて「折損」です。
「折損」の使い方
・『シャフトが折損し走行不能になる』
・『主軸が折損したので修理には時間がかかる』
・『折損を防ぐために十分な強度を確保する』
・『強風によりアンテナが折損してしまった』
「破損」とは?
「破損」とは、「壊れること」を意味する言葉です。
元々の機能や性能が失われたり損なったりするような変化のことを「壊れる」と表現します。
「破損」という表現は原因や壊れ方を問わず壊れること全般をあらわす表現です。
一般的には修理や部品交換で対応できる程度の比較的程度の軽い壊れ方に対して「破損」という表現を用います。
部品が欠けたり曲がったりして機械が使用不可能になった場合、その部品自体は元通りに戻せなかったとしても部品をそっくり交換すれば元通りの性能が取り戻せる場合は「破損」という表現を用います。
どうやっても修復不可能なほどのひどい壊れ方のときに使われるのは「破損」ではなく「大破」や「破壊」などの言葉です。
「破損」の使い方
・『スマホを落として画面が破損してしまった』
・『破損した車両を修理する』
・『大急ぎで破損した部品を交換した』
・『破損箇所を特定するのに時間がかかる』
「折損」と「破損」の違い
「折損」と「破損」の違いは「折れているか」です。
「折損」は長いものや板状のものが折れて壊れた時のみに使われる表現であるのに対し「破損」は壊れること全般に対して使える表現という違いがあります。
「折損」は「破損」の一種であり言い換え可能ですが、「破損」を「折損」と言い換えることはできません。
「折損」は不具合の特定や修復作業のときに用いられる専門用語に近く一般的にはあまり使われませんが「破損」は日常会話で使われることも多く、一般用語として浸透しています。
まとめ
「折損」と「破損」は故障や修理のと気に用いられる言葉です。
どのような壊れ方をしているかによって使い分けられるので壊れた状況を見てふさわしい表現を使いましょう。