この記事では、「錯覚」と「錯視」の違いを分かりやすく説明していきます。
「錯覚」とは?
「錯覚」には2つの意味があります。
ひとつは、本当はそうでないのにそれが本当であると思うことです。
勘違いといった意味になります。
ある人は自分は愛されていると思っていました。
なぜ愛されていると思っているかというと、相手の人が頻繁に連絡をしてくれたり、頻繁に様子を見に来てくれたりするからです。
しかし、本当は愛しているからこういったことをしていたのではなく、監視をするために行っていました。
監視のために行っていたことを、愛されているのだと思ってしまっていたのです。
本当のこととは違うことを思っており、この場合は「愛されていると錯覚する」といいます。
もう一つの意味は、心理学で刺激や対象の客観的事実を違ったものとして感覚器官を通して知ることです。
2つの線が引かれています。
それぞれの線の端には、<と>がついています。
2本の線につく<の向きは違い、ひとつは左側に<、右側に>、もう一つは左側に>、右側に<がついています。
2つの線のどちらを長く見えるか回答してもらうと、多くの人で回答が一致します。
どちらか一方が長く見えるのです。
しかし、実際には線の長さは同じです。
<の向きが違うだけで長さを違うものと感じてしまうのです。
客観的事実を違ったものとして知覚しています。
「錯覚」の使い方
本当のこととは違ったふうに受け取るという意味で使用をします。
「錯視」とは?
刺激や対象を客観的事実とは違ったものとして感覚器官が知ることの中でも、視覚に関するものをいいます。
「エビングハウス錯視」というものがあります。
中央の円を複数の円が囲んでいる図形があります。
実際は2つの図形の中央の円の大きさは同じなのに、周りを囲む円の大きさによって、一方を大きく、もう一方は小さく感じてしまう図形です。
オレンジ色の円が2つあります。
一方の円の周りは大きな青い円が取り囲んでおり、もう一方の円の周りは小さな青い円が取り囲んでいます。
中央の円はどちらの方が大きく見えるか回答をしてもらうと、多くの人は中央の円を小さな円が取り囲んでいる方だと回答をします。
実際は中央の円の大きさは同じです。
「錯視」の使い方
刺激や対象物を客観的事実とは違ったものとして受け取ることの中でも、視覚に関することを指して使用します。
「錯覚」と「錯視」の違い
実際の事柄とは違ったふうに感覚器官が感じることという意味が同じです。
「錯覚」は視覚以外のことも含み、「錯視」は視覚のことだけを指している点が、2つの言葉の異なる点です。
「錯覚」の例文
・『錯覚を起こす』
・『錯覚する人が多い』
「錯視」の例文
・『錯視を利用する』
・『錯視によって奥行きが広く見える』
まとめ
感覚器官が感じるものという意味が似ていますが、一方は視覚についてだけを指している点が、2つの言葉の異なるところです。