「所感」と「雑感」はどちらも「何かについて思うこと」という意味を含む言葉ですが、詳細な意味が異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「所感」と「雑感」の違いを分かりやすく説明していきます。
「所感」とは?
「所感」は「しょかん」と読み、「ある物事に対して心に感じた部分」といった意味を持つ言葉です。
そのほか、仏教の言葉として「前世におこなった行為が結果として生じさせるもの」という意味も持ち合わせています。
「雑感」とは?
「雑感」は「ざっかん」と読む言葉で、「思いついたままでまとまりのない感想」や「様々でとりとめのない感想」などの意味があり、論理的に記された文章ではなく「著者が感じたことや思ったことを自由に綴った文章」のことを指す際に使用されます。
「所感」と「雑感」の違い
「所感」と「雑感」は双方とも「何かに対して思ったこと」という意味を含む言葉ですが、細かな意味合いに違いがあります。
「所感」は「ある物事に対して心に感じた部分」のことを意味し、その物事についての大まかな感想ではなく「特に心が動いたり心に残ったりした事柄」のことを指します。
一方、「雑感」は「様々でとりとめのない感想」や「まとまりがない感想」といった意味があり、ある物事に対して「自由に思ったこと」を指すイメージです。
「所感」の例文
「所感」は「ある物事について心に影響を与えたところ」や「特に心に残った点」などを表現する際に使用されます。
特にビジネス分野で多用され、「所感を書く」や「所感を述べる」などの使われ方をしており、目上の人物に対しては「ご所感」と言い換えることがマナーとされています。
また、「新しい年を迎えるにあたって心に感じていることやその年の抱負を述べること」を意味する「年頭所感」という言葉も有名です。
・『報告書に所感を書く際は、感想ではなく学んだことや新たに気づいたことなどを書くのがポイントだ』
・『僭越ながら、わたくしの所感を申し上げます』
・『ぜひご所感をお聞かせいただければ幸いです』
・『わが社には、新年最初の出社日に社員一人ひとりが年頭所感を述べる習慣がある』
「雑感」の例文
「雑感」は「雑多でとりとめのない感想」や「論理的でなくまとまりのない感想」を表現する際に使用します。
「雑感を書く」や「雑感を綴る」といった用法のほかに、筆者の自由な感想を述べた著作物のタイトルとして「~雑感」といった使われ方をする場合もあります。
・『友人のブログには海外生活を送る上での正直な雑感が書かれていて興味深い』
・『日記というほどでもないが、小さな手帳に日々の雑感を綴ることが日課となっている』
・『田園雑感は、寺田寅彦が田舎や自然について幅広い視点から述べた本である』
・『小説を書くにあたって、何気なく書き続けていた雑感メモが大いに参考になった』
まとめ
「所感」と「雑感」は読み方も字面も似ているため混同しがちな言葉ですが、各々違う意味を持っていることが分かります。
それぞれの意味や使い方を理解して、場面に応じて使い分けましょう。
ぜひ語彙力アップの参考にしてください。