この記事では、「最悪」と「災厄」の違いを分かりやすく説明していきます。
読み方の似ている語を、使い分けていきましょう。
「最悪」とは?
最悪(さいあく)とは、どん底のこと。
これまでに比べて、もっとも悪いと思えることです。
自分にとって良くないこと、アンラッキーな日、大失敗したものを「最悪」といいます。
そもそも最悪という語句を分解してみると「もっとも悪い」と書けます。
「悪い」には「度が過ぎている」という意味があります。
つまり通常と比べてみて、良くないこと。
非常に調子が悪かったり、とても傷ついたりする状態を「最悪」といいます。
自分にとってひどい状態、万事休すに思われるような出来事が「最悪」です。
「災厄」とは?
災厄(さいやく)とは、思いもよらずやって来る不幸のこと。
いきなり訪れた、不運をあらわします。
苦しいと思ったり、悲しいと感じたり「嫌な出来事」が、前ぶれもなく訪れる様子をあらわしています。
災厄という言葉は、もともとは地震や豪雨、風災などをふくむ「自然災害」をしめす語です。
そのため鴨長明が書いた随筆『方丈記』にも、災厄にまつわる言葉が載っています。
こちらの心がけ次第ではどうにもならない事件、すきを突いて突然おそってくるものが災厄です。
「最悪」と「災厄」の違い
どちらも英語に例えるなら「ワースト」に近い表現です。
「最悪」と「災厄」の違いを、分かりやすく解説します。
・気持ちをあらわす「最悪」災害を例えた「災厄」
「最悪」と「災厄」は、どちらも不幸せな状況をたとえる、悪い言葉です。
ただそのニュアンスは少しずつ異なっています。
最悪はその人にとって、もっとも悪い出来事のこと。
そのため「今日は最悪な1日だった」や「今月の仕事は最悪だった」と使います。
話し手自身が「いやだ」と思っている環境や出来事を「最悪」といいます。
そのため同じ境遇にいても、別の人にとっては最悪な日や最悪な仕事ではないこともあります。
あくまで話し手の主観にもとづいて、あらわされるのが最悪です。
そして災厄とは、災いや厄がふいに襲って来ること。
身内が亡くなったり、身近な場所で大災害が起こったり、突然の不幸をあらわします。
誰がみても「つらい」と思える、不幸な出来事が災厄です。
最悪は友達同士でも気軽につかえる、明るさをのこした表現です。
災厄はめったにつかわれない、硬い言い回しの語句になります。
災厄は厄除けの神社でも用いられています。
「災厄を封じ込める」や「災厄消除をねがう」といいます。
宗教的な意味もふくむのが災厄です。
まとめ
「最悪」と「災厄」の違いを分かりやすくお伝えしました。
最悪とはもっとも辛いこと。
断崖絶壁に追い込まれたような、苦しい状況をあらわします。
話し手にとってアンラッキーな出来事が「最悪」です。
そして災厄とは、ふいにやって来る不幸せのこと。
自然災害もふくむ、突然の悲しみをあらわします。
語彙を増やしていきましょう。