自らの財布で支払うことを指す言葉として「私費」と「自費」があります。
このふたつの表現はどのような基準で使い分けられているのでしょうか。
今回は、「私費」と「自費」の違いについて解説します。
「私費」とは?
「私費」とは、「私的に負担する費用」という意味の言葉です。
「私費」を理解するには反対語を知るのが近道です。
「私費」の反対語は「公費」です。
公費とは「国家や地方自治体などが負担する公的な費用」でありそのような金銭とは正反対の声質を持つ金銭が「私費」に当たります。
つまり「私費」とは「国家や地方自治体などの負担ではない個人として負担する費用」のことです。
「私費」という言葉が用いられるのは「公的な支出が行われている費用」です。
公的な支出が行われる物事の場合は公的な負担であるのか私的な負担であるのかの区別がとても大切です。
例えば政治家は歳費や文書交通費などの形で公費の使用が認められています。
基本的に公費というのは特定の目的に使用することが決められていることが多く、目的外に勝手に使うのは問題行為です。
政治家の場合は特定の目的に公費を使うと問題になるケースが多いことから、公的なお金を流用せず自分自身で個人的に負担することを強調する意味で「私費」という表現を用います。
制度として公費を利用できる取り組みにおいてそのような制度を利用することなく自分の支払いで取り組むと気にも「私費」という表現が使われます。
「私費」の使い方
・『玉串料は公費ではなく私費で負担している』
・『政治活動の交通費は公費負担だが私的な旅行の費用は私費で負担しなければいけない』
・『公費留学の酵母に落選したので私費で留学することになった』
・『保険が適用されない治療なので私費で支払う』
「自費」とは?
「自費」とは、「自ら負担する費用」を意味する言葉です。
自分以外の他人が費用を負担するのではなく「自分自身が支払うお金」が「自費」です。
基本的には他人が負担してくれる可能性がある金銭に対して用いられる表現で、他人の支払いではなく自分で負担しなくてはいけないことを強調しています。
仕事の機材や資料の購入は本来会社がお金を出してくれるべきものですが必ずしも毎回負担してくれるとは限りません。
さまざまな理由で会社に負担してもらえず自分の財布からお金を出すことを「自費」と表現します。
「自費」の使い方
・『作業用のパソコンを自費で購入する』
・『仕事に必要な資料を自費で購入させるのは問題だ』
・『領収書がないので経費として認められず自費で支払うことになった』
・『高校野球連盟は応援団にかかる交通費や宿泊費を負担してくれないのですべて自費である』
「私費」と「自費」の違い
「私費」と「自費」はほぼ同じ意味の言葉ですが「私費」が公費と区別するときに使われるのに対し「自費」は公費を含む自分以外が負担する費用と区別する際に使われます。
政治家が公金を使わず自分のお金で支払う場合は「私費」ですが「自費」を使っても間違いではありません。
会社が払ってくれない費用を自分で負担する場合は「自費」と表現することが多く「私費」はほとんど使われない言葉です。
公的ではない私的な支払いが「私費」、他の人の支払いではない自分でする支払いが「自費」という違いで区別されます。
まとめ
「私費」と「自費」はほとんど同じ意味の言葉ですが反対語を知ると違いがわかります。
細かい意味の違いまで正しく理解した上で状況にあわせて使い分けてください。