「売上」と「粗利」という表現は、具体的にどのように違うのでしょうか。
「売上」とは?
「売上」とは、商売行為で純粋に売上げとなった金額のことです。
例えば、1個500円の物が120個売れれば6万円、1個1000円のものが100個売れれば10万円と、お客さんから受け取った金額の合計がこの「売上」と呼ばれます。
それに掛かった経費などは一切考慮せず、純粋に受け取った金額そのもののことで、まずはこれがないことには商売は始まりません。
「粗利」とは?
「粗利」は、先の「売上」から「原価」を差し引いたものです。
例えば、500円で仕入れたものを700円で販売した場合、その1個につき差し引き200円がこの「粗利」となります。
仕入れたものをそのまま販売する商売ではなく、飲食店のようにひと手間掛かる場合には、提供する商品に掛かる原価で考える必要があります。
ラーメン店だとすると、麺とトッピング、1杯分のスープに掛かる原価の合計をその提供価格から差し引いたものが「粗利」になります。
飲食店の場合、原価率(提供価格のうち、原価の割合)は30%程度だと言われており、それだと粗利が70%を占めることになりますが、それが全て利益となる訳ではなく、店舗の運営に掛かる光熱費や人件費などの経費まで更にと差し引かないと「純利益」にはなりません。
この「純利益」こそが本当の利益であって、例え先の「売上」や「粗利」がいくら出ていようと、これがマイナスでは赤字だということになります。
「売上」と「粗利」の違い
「売上」は、単純に売れた全ての金額の合計で、「粗利」は、そこから原価だけは引いた金額になります。
先のように、これらは利益とはまた別の問題で、いくら数字が上がっていても、決して儲かっていることと直接は繋がりません。
まとめ
「売上」と「粗利」は、実際の利益(純利益)と比較して、どれほど経費が掛かっているか、どこを節約すればいいかといった指針になります。
また、「売上」は事業としての規模として重要になる数字で、例え経営が赤字だとしても、これが上がるほど世間的な評価に影響するものです。