「従事」と「携わる」の違いとは?分かりやすく解説

「従事」と「携わる」の違い言葉・カタカナ語・言語

関わりを持つことを意味する言葉として「従事」「携わる」があります。

このふたつの言葉はどのような基準で使い分けられているのでしょうか。

今回は、「従事」「携わる」の違いについて解説します。

「従事」とは?

「従事」とは?

「従事」とは、「特定の作業や業務に専属的に取り組むこと」を意味する言葉です。

「従事」という言葉は物事に継続的に関わりを持つときに使われる表現です。

手助けしたり臨時でこなしたりするのではなく「ある程度の期間継続して専属的に物事に関わること」「従事」であり、一般的には作業や業務など仕事に対して用いられます。

専属的に関わることを意味するのが「従事」なので「他のことに比べて明確に比率が高く中心を占めている作業や業務」を指します。

通常は「その職業に就いていること」を意味する言葉として「従事」が使われます。

「給料をもらえる仕事に就くこと」という意味で使われますが本来は「作業や業務に取り組むこと」を意味する言葉なので広義ではボランティアや奉仕活動、学校の委員会活動など給料をもらえる仕事以外の作業や業務に取り組むことも含みます。

特定の役職や役割ではなく大きなくくりとしての事業や業務に対して使われる言葉なので特定の会社や団体ではなく業種や職種など業務や作業の内容を表すときに用いられる言葉です。

「従事」の使い方

・『医療に従事して10年が過ぎた』
・『製造業に従事する人の平均年収を調べる』
・『農業に従事する人は年々減少している』
・『金融業に従事しているからと言ってお金持ちとは限らない』

「携わる」とは?

「携わる」とは?

「携わる」とは、「物事に深い関わりを持つこと」という意味の言葉です。

「携わる」の本来の意味は「手と手を取り合う」「つながる」です。

手で持つことを「たずさえる」といいますがそこから転じて「手と手を取り合うようにふかいいつながりを持つこと」を意味する言葉として使われています。

「携わる」という言葉には「物事に深く関わっているが内部の人間としてではなく外部の人間として関わりを持つ」というニュアンスが含まれています。

あるものごとにおいて重要な役割を果たしていても主体ではなく、ある程度距離があるような関わり方が「携わる」です。

大きな力を貸したり重要役割を任されたりすることもありますが「その人がいなくても物事が成立するような関係性」を表すのが「携わる」です。

「携わる」の使い方

・『運営委員会にオブザーバーとして携わる』
・『外部役員として会社経営に携わる事になった』
・『不正行為に我慢ができず署名活動に携わることにした』
・『中途半端に携わるくらいなら手を貸さない方がマシだ』

「従事」と「携わる」の違い

「従事」と「携わる」の違い

「従事」「携わる」の違いは「関り合いの深さ」です。

「従事」はもっぱらその業務に取り組むことを意味する言葉です。

その人にとって中心を占めるような仕事や業務が「従事」であり他の業務を手がけることはあっても重要性や配分には大きな差がある主要な業務を指します。

「携わる」は物事に関わりを持つことを意味する言葉である程度深く関わっていても一途に行うわけではなくそれなりに余裕のある関係性を指します。

専門にこなすのが「従事」、力を貸すのが「携わる」という違いで区別されます。

まとめ

まとめ

「従事」「携わる」はとてもよく似た意味合いの言葉です。

意味が重なる部分もありますがかかわり合いの深さによって使い分けられるので注意してください。