この記事では、「関与」と「関連」の違いを分かりやすく説明していきます。
「関与」とは?
ある物事にかかわることです。
ある会社の人事について考えてみます。
会社の人事については、人事担当の人が主に行っていることでしょう。
一般的には取締役が何かをすることはありません。
もし取締役が新しい社員の採用を決めたり、誰をどこに配属するかを決めたりすれば、人事にかかわっているということができます。
この場合は「取締役が人事に関与する」といえます。
今度は脱毛症のことで考えてみます。
男性型脱毛症は遺伝の影響があるといわれています。
父親や祖父が薄毛で、自分も薄毛であるという男性は少なくないことでしょう。
この場合は「遺伝が薄毛に関与している」といえます。
「関与」の使い方
物事とかかわりがあるという意味で使用します。
「事件に関与する」「スタミナに関与する因子」など、さまざまな使い方ができます。
この言葉自体には悪い意味もよい意味も含まれておらず、事件のように好ましくないことに使われることもあれば、そうでない事柄に使われることもあります。
「関連」とは?
ある事柄とある事柄が内容的に結びついていることです。
プロ野球選手の引退後のことで考えてみます。
プロ野球選手は、野球をすることが仕事のようなものです。
試合に出て活躍をしています。
引退後は試合に出ることはできません。
そのため、生活をするために他の仕事をしなければなりません。
そういったとき、事務のような野球とはまったく違った分野に進む人もいれば、野球のコーチや監督になる、スポーツショップで働く、球団のスタッフになるといった人もいます。
野球に「関連」しているのは、野球のコーチや監督、スポーツショップ、球団スタッフなどです。
プロ野球選手とはやっていることは違いますが、野球とこれらには内容的に結びつきがあります。
このような、ある事柄とある事柄に結びつきがあることを「関連」といいます。
一般的な会社の事務の仕事だと、野球とかかわることはありません。
これは「関連」しているとはいえないです。
「関連」の使い方
ある物事とある物事とが内容的にむすびついていることを指して使用します。
まったくむすびつきがないことには使用しません。
「関与」と「関連」の違い
どちらの言葉にも、かかわるという意味が含まれていますが、同じかかわり方ではありません。
前者は互いにかかわることです。
影響力を持っていることなどをいいます。
後者は他のものとのつながりを意味しています。
影響力の有無は意味に含まれていません。
「関与」の例文
・『事件に関与する』
・『その物事への関与が指摘されている』
「関連」の例文
・『関連する書籍を読む』
・『関連する活動を続けていきたい』
まとめ
どちらの言葉にも、かかわるという意味を持つ漢字の「関」が使われている通り、かかわるという意味が含まれています。
しかし、影響力の有無などに違いがあります。