この記事では、「提示」と「掲示」の違いを分かりやすく説明していきます。
「提示」とは?
前に押し出すようにして何かを見せること、何かを出すことです。
掲げて見せることではありません。
受検会場に入るときのことで説明をします。
受験生以外を会場内に入れたくないので、会場の入り口で受験生かを確認します。
確認するために必要なものは受験票です。
受験生は、確認する人に対して自分の受験票を差し出して見せます。
このときの行為が、この言葉が意味するものです。
受験生以外の人もこの行為を行っています。
注文住宅を建てることになったとします。
注文住宅は、自分の好きなように間取りや設備などを考えることができ、どのような間取りにするのか、どういった設備を取り入れるのかによって金額が変わってきます。
こういったものを作りたいと案を出して、それから住宅を建てるためにかかるおおよその費用を業者が出しました。
業者だけが費用を知っているのではなく、依頼主にこれくらいですと見せています。
これを「金額を提示する」といいます。
「提示」の使い方
何かを押し出すようにして見せることや、出して見せることに使用をします。
高く上げて見せることには使用しません。
「掲示」とは?
書いたり、描いたりしたものを、不特定多数の人に見せることです。
高いところに上げて見せる場合や、目立つ場所に出して見せる場合をいいます。
マンションのエントランスに貼り紙をする場所があります。
この場所はマンション住民がいつも通る場所なので目立ちます。
ここにお知らせを書いた紙を貼りつけておきました。
目立つ場所に出して、マンション住民という多くの人に見せているのです。
これは「お知らせを掲示する」といいます。
学校でクラス替えをしたときには、新しいクラスで自分がどの席に座ったらいいのかを確認します。
そのときに見るものが座席表です。
座席表は、教室の入り口や黒板など目立つ場所に出されています。
これは「座席表が掲示されている」といいます。
「掲示」の使い方
書いたり描いたりしたものを、高い場所に上げたり、目立つ場所に出したりして、不特定多数の人に見せることに使用をします。
押し出すように見せることには使用しません。
「提示」と「掲示」の違い
見せるという意味を含む点が似ていますが、見せ方が違います。
前者は差し出すように見せます。
後者は、高い場所に上げたり、目立つ場所に出したりして見せます。
「提示」の例文
・『解決策を提示する』
・『提示された内容を受け入れる』
・『書類を提示する』
・『何度か提示されている』
「掲示」の例文
・『掲示を確認する』
・『入口に掲示をする』
・『いろいろなものが掲示されている』
・『作品を掲示する』
まとめ
あるものを見せるという意味を含む点が似ていますが、見せ方が違います。
一方は差し出すように見せること、もう一方は掲げたり、目立つ場所に出したりして見せることです。